M1層、F1層とは
マーケティング用語として、ちょこちょこ目にする機会がある性別と年齢の集計区分用語になるのですが、元々はビデオリサーチ社の社内用語として広まったものと言われています。
M1層、F1層も含めた集計区分
C層 (Child、Kids) 男女4歳~12歳
T層 (Teen-age) 男女13歳~19歳
M1層 (Male-1) 20歳~34歳の男性
M2層 (Male-2) 35歳~49歳の男性
M3層 (Male-3) 50歳以上の男性
F1層 (Female-1) 20歳~34歳の女性
F2層 (Female-2) 35歳~49歳の女性
F3層 (Female-3) 50歳以上の女性
と区分されているとの事です。
テレビについては不特定多数の"マス"を対象にした媒体になるので、視聴者の区分をこのような形で大きく捉える必要があることが必要になるためと言えます。
若い女性向き=F1層、子供番組=C層向けやT層向けアニメなどといった区分にて、CM枠に対して合致するスポンサーを募るといったプロセスから生まれた用語であり、マーケティング用語として生まれたものでは無いようです。
Web 2.0時代におけるCGMコンテンツへの変化において、企業は顧客へ近寄っていく必要があると言われています。
このことにおいて、"マーケットセグメンテーション(市場細分化)"の重要性がCRMの概念におけるコンテンツビジネス以上に重要視されています。
年齢や性別はもちろん、居住地区や家族構成、職業、収入、趣味傾向や、企業のビジネスごとのコンバージョンに必要な特性、例えば自動車系であれば、メーカーや車種、年式やオイル交換時期、タイヤ交換頻度、走行距離/月なども追加要素となります。
こういった顧客属性情報から、共通する行動パターンやニーズや欲求から読み取れる傾向が、Webビジネスにおいても重要なマーケティングデータとなります。
Webマーケティングにおいて、"F1層ターゲットの化粧品"や"M2層ターゲットの車"といったコンセプト組みはあまり的確では無いと言えると思っています。
M1層においては、短大や専門学校を卒業したばかりの人、大学在学中の人、就職し数年経つ人、結婚し子供が生まれる人から、既に中学生、高校入試を控えている人まで含まれてしまいます。
Webサイトのコンテンツのコンセプト、目的の把握という点において、M1層をターゲットにとしてしまうと、独身で実家から学校へ通っているユーザと、都心にて結婚し子供とマンション暮らしをしているユーザを同等のターゲット層と捉えて、コンバージョンポイントへの誘導を行うということは多くの問題を孕み、成功に結び付けることができません。
Webマーケティングにおいて、CRMやSFA、DWHといったツールの普及などにより"マーケットセグメンテーション"が容易になった反面、細分化されたユーザのさらなる細分化の必要性が露呈しています。
視点を間違えてしまうと、商品をM1層全体にアプローチすれば良いといった、必要以上の顧客の囲い込み対策にリソースも含めてコストをかけることとなり、商品そのもののコンセプトが曇ってしまい、結果全体層に対しても不明瞭な商品として、消えていく道を辿っていってしまいます。
性別・年齢層でのセグメンテーションにおけるマーケティングコンセプトは重要ですが、よりWebサイト、コンテンツにおけるコンセプトにおいて、タイヤを売るのに、天候の差がある地方の家族持ちでワンボックスに乗っている、団塊ジュニアの男性ドライバーをターゲットとした商品といったアプローチがあれば、伝えるべき内容として、雪道での安全性や、静かに安定した走りができる事や、ホイールのバリエーションにも多く対応できる事などのアプローチポイントと方法が見えてくると思います。
セグメンテーション自体はCRMの概念において広く普及したため、エクセルでの集計をはじめとして、データを一定のルールでマイニングして、必要な情報を見出すことは可能ですが、
商品の特性と、サイトのコンセプト、目的に沿ったユーザ層のセグメンテーションと、セグメンテーションによって見えてきたユーザが求めているニーズや来訪時の欲求に対して、
商品をどのようにアプローチするのか、具体的な施策をどのように行い、効果を出し、測定し施策を行っていくのかといったマーケティングプロセスが重要なポイントだと言えます。
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