多くの米国の企業において、失敗プロジェクトの責任を負い、CIOが更迭されてきた結果は勤続年数が18~36ヶ月と、CFOの平均勤続年数5年に比較するとかなり短いことから読み取れるという。
【出典】Next Wave:「失敗プロジェクト」と「CIOの首」の数だけ経営者は賢くなる
CIOとは
CIO(Chief Information Officer)とは、 「企業において自社の経営理念に合わせて情報化戦略を立案、実行する責任者のことで、。『最高情報責任者』『情報システム担当役員』『情報戦略統括役員』などさまざまな訳語が充てられる。 米国における株式公開企業では、取締役会の監督のもとで経営を行う人たちをチーフ・オフィサーと呼び、(CxO)と呼ばれている。 ITベンチャーがニュース記事になることが多くなり、CEO(最高経営責任者)やCFO(最高財務責任者)、COO(最高執行責任者)などといった単語も耳にすることが多くなった。 これらCEO、CFO、COOに並び、企業経営陣の中で極めて重要な役割となるのがCIOである。このような概念を見る限り、CIOはCFOなどと並ぶ経営層の一人でCEOの直属に当たるイメージであるが、幾留氏の目にはCFOの部下に位置づけられている企業の方が多い印象を受けるという。
実際にComputerWorld誌の2005年のアンケート調査でも、6割の企業がCFOの部下に位置付けているという結果が出たそうだ。
筆者の今までの職場でも同様だが、IT部門が「コストセンター」であるのか、「プロフィットセンター」であるのかにも寄ってくるが、総じてIT部門はコストセンターと位置づけられてしまうケースが多く、結果CFOの下にCIOが存在する形となってしまい、
攻撃型IT戦略への取り組みが遅れ、マーケットに乗り遅れてしまう結果となっているケースを多々目にした。
理解され始めているCIOの重要性
米国では、徐々にCIOが本来の用語の定義に近いポジションとして認知され、効果を生み出し始めているという。 幾留氏の友人の米国企業においても、CIOをCFOの直属とし経営陣の意識改革に取り組んだところ、ITと直接関係ない企業でありながら、ビジネスを効率よく運営するにはIT技術の知見が不可欠だという意識向上により、経営の流れが良い方向へ変わったという。失敗経験から成功要因を学習する
IT戦略を任せるという中に、必要以上に重要な項目が含まれすぎているという。 これは筆者も感じる点で、わからないから任せる。難しそうだから任せる。という表面上の責任転嫁異常に、企業自体の重要な責任にまでも及んでしまっている。 IT戦略の投資対効果などは、投資は非常に大きいものとなるが、効果については投資したITが回収するものではなく、営業や現場で改修を行うことになるわけだが・・・ サービスレベルの維持とIT戦略とのバランスにおいても、もっとスムーズな業務体制でサービスレベルを維持したいという要件が上がったとしても、実際は導入してみたら現場から使いづらいだの、覚えにくいだの言われてしまって、良い製品なのに社内で使いこなせずにサービスレベルの向上以前に、社内体制の立て直しが必要となってしまったり・・・ 予算や、利害関係などで導入したら、セキュリティやプライバシーポリシーなどのレベルが下がり、必要以上のリソースコストとリスクを負ってしまったり・・・ 結果、誰が責任を取るのかといったところで、CIOに矢面が立ってしまう。こういったITプロジェクトの責任を負わされることから、CIOの勤続年数が非常に短い結果に繋がっていることを暗示させる。
しかし、CIOの首だけをすげ替えながらも失敗を繰り返してきた経験から、CIO自身も、経営陣も、CIOのポジションを経営層レベルに引き上げたり、専門的知識や経験の深さだけでなく、加えてゼネラルな人間へと変化をさせてきているという。
実際企業組織の中でコストセンターを戦略的プロフィットセンターへ変えていくことは容易では無いどころか、困難を極める。
この困難さがCIOの任期の短さにも反映されているともいえる。
筆者自身は経営者ではないが、意識としてゼネラル性に重点を置くことが今後に繋がると思っている。
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