前回アクセス解析ツールのメリット・デメリットにて、現在無料、容易に導入可能なアクセス解析ツールの種類である"タグ型"解析ツールについてレポートしました。
今回は、そもそもアクセス解析ツールの導入に当たり、解析手法の違いではなく、アクセス解析ツール自体において何をポイントとして考え選択すればよいのかをレポートしてみようと思います。
TCO(Total Cost of Ownership)を軸として考えてみましょう
TCOとは、ITに関わるシステムの導入、維持・管理などにかかる費用の総額を意味しています。ITに関わるシステムは大分TCOで算出され選定されることが多くなってきましたが、
Webアクセス解析ツールにおいては未だに、製品価格や導入費用のみで評価される事が多いと感じます。
しかし、ここ数年のWebを取り巻く環境を見渡してみると、ハードウェアのスペック対価格や、データセンタ費用、サービス価格の下落や、ユーザ環境の変化、リッチコンテンツの増加などにより、Webサイト全体のビジネス(ハードウェア、アプリケーション、コンテンツ、回線費用、運用費用)に対して、アップグレードや、運用者、運営者の教育、ユーザのリテラシーアップやはたまたシステムダウンやクラッキングなどによる損失など、導入後にかかる費用(ランニングコスト)を相対的に意識することが重要になっています。
Webアクセス解析ツールにおけるTCO
アクセス解析ツールは、Webマーケティングの必要性がある企業やユーザにとって、現状把握を行うためのコアソリューションであり、さらに数年に渡りデータを蓄積する、現状把握を積み重ねることが重要なポイントとなる。(前年同月比や、前月同週比など)
導入初期費用だけでなく、解析を行うためのヒューマンリソースコストや分析対象データ容量、ビジネスの持続において増加するPV数などの運用コストを含めたトータルコストがポイントとなる。
来たるべき将来のユーザ環境への対応
PCだけではなく携帯サイトの分析ニーズが非常に高まっていますが、目の前の物事で意識しなければならないのは携帯サイトだとしても、手の届く範囲にはインターネット接続可能な様々な媒体が存在しています。
例えばDS Lite、Nintendo Wii、PS3、X BOX360やインターネット接続可能なTVやケーブルテレビといったIPTV、カーナビなど、多種多様な端末によってWebコンテンツにアクセスすることが可能になっています。現在はコンテンツが少ない事と、ビジネスとして大きな市場に成長していないために意識が向いていないのだと思いますが、携帯サイトの成長を考えれば、上記も含めた様々な端末市場の成長は時間の問題だと思います。
よって、今後ますます多様化するユーザ環境への対応を考慮する事がポイントとなります。
また、端末毎のユーザ特性を見極めたコンテンツ、サービスの提供という事を考えると、市場ごとにユーザの利用状況、利用パターンを分析し、ユーザビリティの高いコンテンツ、サービスの構築のための分析ができるのかもポイントとなります。
コンテンツの安定利用と運用リソースの削減
リッチメディアコンテンツの増加や、多様なユーザ環境に呼応するコンテンツ、サービス、様々なクロスメディア媒体といったユーザとのコミュニケーションポイントは暫く広がり続けると思います。これにより、サービスを提供する側としては安定したコンテンツ、サービスを提供できているのかを把握すことがポイントとなります。
CRM、SFA、DWHといったWebビジネスアプリケーションはもとより、J-SOX法などによりITにかかるコストは肥大化していきます。社内やデータセンター内外のネットワーク環境まで含めた視点で、実ユーザの利用状況から、肥大化するネットワークやハードウェア、アプリケーションのボトルネックに対して早急な対応を行えるのかどうかもポイントとなります。
いわゆるWebコンテンツのアクセス解析という視点から外れている印象もあるかと思いますが、Webビジネスの分析という視点で全体を俯瞰的に見てみると、選択するに当たって必要なポイントが見えてくると思います。
各種アクセス解析ツールの比較については、
アクセス解析比較
を参照ください。
Leave a comment