携帯サイトの特性と、特性を利用したサイト作りについて、
無料で携帯サイトを開設できるサービスやSNSが増えている事で、携帯サイトを持つ事が珍しいことではなくなった。
また、企業がPCサイトを持つ事が一般的になり、いよいよ次は携帯サイトへ。という動きも出てきている。
これは、PCサイトのソースを携帯サイトに変換することが可能なソリューションや、携帯サイトとPCサイトを効率よく構築できるソリューションが増えてきたこともあると感じている。
そこで、携帯サイトを構築するに当たってのコンセプトワークでの注意点から、どのように成功要因を作り上げるか、といったベースを考えてみようと思う。
まず携帯サイトの特性という点について
- PCからウェブサイトを閲覧する思考で携帯サイトを作っても、ビジネスに繋がりにくい傾向がある
- PCサイトは、何らかの知りたい情報の欠片、キーワードをもってユーザが能動的に利用する
- 携帯サイトは、広告媒体のURLやQRコードといった、直接目的にたどりつき情報を得ることに利用される傾向が強い
携帯サイトを利用する際に、PCサイトを利用する感覚で利用するとどうも使いづらいので、携帯サイトは全く使っていない筆者ですが、PCサイトを利用する際に、携帯サイトと同じ思考で利用している人も結構多く、完全に使い分けている人も多いと感じる。
特にM1、F1層といった、10代前半で既に携帯電話のネットワークとPCのネットワークに触れている層に感じる。
この上手く使い分けている、使い分けることがしやすいサイトというのが、携帯サイトの成功の鍵なのではないかという視点で、どのように携帯サイトの成功要因を作り上げていくかを考察してみたい。
先の携帯サイトの特性の要因
- PCからウェブサイトを閲覧する思考で携帯サイトを作っても、ビジネスに繋がりにくい傾向がある AmazonやYahoo、最近はGoogleでも携帯サイトとPCサイトでそれぞれサービスも含めて表現方法を変えている。それぞれ別のサービスを行っているわけではなく、携帯サイトで利用されるシチュエーションを考慮したインターフェースを持たせることで、各ユーザ層毎にコミュニケーション方法を変えている。
- PCサイトは、何らかの知りたい情報の欠片、キーワードをもってユーザが能動的に利用する PCサイトにおいては、大きな1つの入口として検索エンジンがスタート地点になっている。 最近CMで増えてきた、検索エンジン窓に***を打ち込むメッセージ。このように、まずは検索エンジンから入ってきて欲しいという流れになっているし、実際の利用者もお気に入りに登録されたサイトか、検索エンジンで会社名や商品名、文字列を打ち込んで表示された内容から各サイトで情報を得る流れになっている。 検索エンジンでの結果により、目的に対して似通った情報を持つサイトなどが表示され、他の情報と比較できることも重要な要素になっている。
- 携帯サイトは、広告媒体のURLやQRコードといった、直接目的にたどり着き情報を得ることに利用される傾向が強い 社内吊り広告や、フリーペーパー、最近では飲食店でも、携帯用のURLかQRコードが記載されていることを多々目にする。広告内容の詳細や、キャンペーンの内容などの情報について、検索サイトを利用して調べるのではなく、直接該当URLにアクセスし、内容を確認することができる。 他の情報ではなく、いかに素早く目的の情報を得ることができるかが重要な要素になっている。
"携帯サイト"という概念、"携帯端末で閲覧するサイト"は絶滅せず、むしろ重要なビジネスになることは間違いない。
しかし、携帯電話の機能が益々増え、携帯電話としての機能に限定されたデジタルディバイドという考え方、意識は語られなくなるだろう。という意見、またはフルブラウザが搭載されるようになれば、携帯サイトとPCサイトの垣根はなくなるだろうという意見について私は疑問を感じる。
私の動いている小さな世界での意見なのであまり参考にはならないと思うが、
WillcomのW-ZERO3などのスマートフォンは、基本的にPCサイトユーザの間だけで話題になっているように思う。PCサイトでアクセスする環境に、メールやスケジュールなどの情報があり、PCでも携帯でもアクセスできることが非常にスムーズなライフスタイルを作り上げることができるのは非常に魅力的である。
だが、携帯ユーザにとっては、メールやスケジュールにスムーズにアクセスすることよりも、電波の入り具合や着うたの音質、ワンセグやカメラの画素数といった機種ごと、キャリアごとの性能、サービスが、携帯のライフスタイルを作り上げる。
5、6年前に語られていた、インターネットが当たり前、一家に一台パソコンとインターネットの時代がやってくるという予測には近づいているとは思うが、普段の行動はほとんど携帯で済ませている、済んでいるのではないか。
インターネット、インフラは普及しているものの、ユーザとの繋がりの点ですぐそばに常にあるものは、PCサイトのインフラではなく、携帯サイトのインフラというのが現実である。
携帯サイトの環境、行動パターンを利用する
携帯は常にそばにあり、同一キャリアの同一機種でも色の違いだけではなく、ストラップやシールを貼ってみたりと、よりパーソナルなメディアツールとして利用されている。
このパーソナルなツールという特性は、PCにメールを送られるよりも、携帯に送られるメールの方が"プライベート"なイメージを感じる点でも同様だろう。
"プライベート"という要素と、情報を能動的に求めるのではなく、ピンポイントで必要な情報を手に入れるという要素、この二つの行動パターンを当てはまると、
ユーザのニーズにマッチした商品の説明と、リンクURLを携帯にピンポイントで送信することでコンバージョン率が上がる、つまりOne To Oneマーケティング
という回答になる。
"パーソナル"という要素をもう少し別の角度から見てみると、最近ビジネスモデルが拡大中のSNSがある。mixi、はてなダイアリーなど、いずれも程度の差はあるが携帯でも更新しやすいサービスを提供している。
いずれもログインして更新とメールで更新という2つの方法が提供されている。
メールで更新というところに、1つの重要なポイントがある。
携帯という"パーソナル"なツールから、世界中に対して情報を発信することができる。世界中の誰でも個人の発する情報を得ることができるという、"パーソナル"の象徴が"グローバル"に直接繋がるという要素を、何の疑問もなく使いこなしている状況が存在している。
例えば「魔法のiらんど」などは、携帯サイトのみで特殊な環境に対応しているといえる。
携帯サイト向きのWebデザイン
携帯サイトは非常に制約が厳しい。Javascriptが利用できないこともその1つではあるが、そもそも画面サイズに対して情報伝達方法にこだわる要素、必要がほとんど無い。
むしろ、PCサイトではありえないものが有効であったりする。
- 左右にゆれるマーキーを利用
- タイトルはセンタリング
- 飾り文字や記号を多用
- 絵文字を多用
どのような携帯サイトが使いやすいのか
最初から携帯向けに作られたサイトは携帯での使い勝手が良い。
これに尽きると感じている。モバオクやGirlsWalkerなどのサイトは特に参考になると思う。
パーソナル性、One to Oneの機能が加味されている事も重要なポイントだと感じる。
筆者の場合、PCサイトではGoogleがメインであるが、携帯の場合はYahoo!モバイルの方が利用しやすいと感じる。これは、Yahoo!モバイルは携帯対応サイトのみ検索してくれる半面、Googleは全サイトを携帯用に変換して表示してもらえるものの、変換してしまうことでサイトのデザインや、文字コードを含めて内容が上手く表示されないことが多いことがある。
結果、携帯で調べ物をする際はYahoo!モバイルで辿れる範囲に絞ったほうが効率的であるからに他ならない。
各サイトが携帯用に変換された時の表示も意識したサイトが標準的になれば、Googleの利用も増えるのだろうが、携帯サイト制作費に投下できる予算に盛り込まれるにはまだまだ時間がかかると感じる。
このような携帯というツールを取り巻く環境が非常に早いサイクルで変わる市場に対して、サイトを展開し、成功させることは
やはり運用する携帯サイトのコンセプトがユーザ、市場の環境に沿っているのかを常に意識し、対応していくことが、2008年のWeb 2.0時代の本流の中で、よりモバイルサイトの格差に繋がる年になるのではないかと思っている。
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