Webアクセス解析は、そもそもサイト制作時にコンセプトをしっかり組み上げていればそれほど重要な業務では無いと思っています。
が、Webサイト、Webビジネス自体は、企業やサイトの成長と共に閲覧者が増え、コミュニケーションツールとして成長をしていきます。
この成長過程で、俯瞰的にビジネスを判断しより良い方向を導き出すに当たり、アクセス解析が必要となってくることは間違いありません。
Webアクセス解析の世界に入るきっかけは、Webマーケティングの要素が必要となってきたと感じた際が一般的かと思いますが、その際多くのユーザは無料ツールを利用するケースが多いと思います。
私の経験からは、解析がお金を生むというイメージを掴めて居ない事が理由だと感じています。
今まで個人サイトの分析用というイメージであった無料アクセス解析ツールは、Google Analytics登場により広く企業サイトの分析という点でも認知されましたが、その事は逆に有料ツールとの格差を生んだイメージもあります。
無料ツールと有料ツールの細かい違いはさておき、大きく分けるとどのようなツールと、現在一般化しているタグ型解析ツールのメリット・デメリットについてレポートしてみたいと思います。
アクセス解析ツールのアーキテクチャの種類
Webアクセス解析ツールは大きく分類して、
- ログ型
- タグ型
- パケットキャプチャ型
という3種類のアーキテクチャをもった製品があります。
Webビーコン型と呼ばれるツールもありますが、簡単に言うとタグ型がJavascriptをHTMLに貼り込むのに対して、1px*1pxの透過GIFなどをサイトに貼り、この画像が読み出された事でアクセスがあったと認識し分析する方式になります。
それぞれの製品を簡単に説明すると
- ログ型
Webサーバに貯まるアクセスログを、別の集計用サーバに移して解析データを参照する - タグ型
JavascriptのタグをHTMLページに貼り、解析データを集計用サーバに直接飛ばし解析データを参照する - パケットキャプチャ型
Webサーバとユーザとの間を流れる通信から、解析データを取り込み解析データを参照する
という方式になります。
それぞれメリット・デメリットがありますが、無料ツールで多く出回っているものは、導入の容易さからタグ型でしょう。
導入に当たり他のツールよりも専用サーバを用意する必要もあり、多少初期コストがかかりますが、他では解析不可能な詳細なマーケティングデータを取得できるという点では、パケットキャプチャ型になります。
タグ型解析ツールのメリット
タグ型ツールは、HTMLページにタグを貼るだけという非常に導入が容易な事がメリットとなります。
貼る作業自体は、ページ数が多少多くてもWebページ作成ツールや、CMSツール、またSSIなどを利用したサイトの作りによって、非常に安易解析をスタートすることができます。
Google Analyticsの登場により、無料のタグ型アクセス解析ツールのブームが起こりました。その理由としては、
- 見易い、見ていて受け入れやすいユーザインターフェース
- 広告効果測定やクロスチャネル解析といったマーケターが欲しいレポート機能を搭載している
- 上記が無料でタグを貼るだけでWebブラウザで閲覧できる
という点が挙げられると思います。
Google AnalyticsのエンジンはUrchinという高価な有料のログ型エンジンを使用しているとの事なので、このような高度な解析レポートを参照することが可能になっています。
そして何より、Googleというブランド名も大きな理由だと感じます。
他のタグ型の無料ツールも、広告効果測定やクロスチャネル解析までできずとも、基本的な解析が可能なツールが多々あります。
タグ型解析ツールのデメリット
タグ型ツールは、HTMLページにしかタグを貼れませんので、
動的ページ(購入フローのページや、複数条件から商品を選択するアルバイト情報サイト、不動産情報サイトなど)は分析を行うことができません。
また、携帯サイトも解析専用タグは動作しませんので、分析することができませんし、データが第三者(サービス提供会社)に保持されることに対する不安もあると思います。
Google Analyticsは月間500万PVまで無料との事ですが、月間500万PVを超えるサイトの場合のログ型、タグ型の製品の月額利用料などを算出すると、100万円弱からという莫大な費用がかかり、5年利用する事を考えると、解析ツールにかける費用としては躊躇してしまいます。
解析ツールで何をするのか
ログ型、タグ型、パケットキャプチャ型それぞれにメリット・デメリットがありますが、結局は利用するユーザの解析の目的に応じて選択をするのが一番正しい選択法になると思います。
価格が安いに越したことは無いとは思いますが、その安さは直近の月額費用が安ければ良いのか、5年程度のWebビジネス全般の費用の中での月額費用として捉えるのか、また、5年の間に大きく変化するであろうコンテンツとユーザの利用環境なども考慮し選択することがベストだと言えます。
昨年からの変化としても、ワンセグの登場により、放送波と同時にBML(Broadcast Markup Language)と呼ばれるXMLベースのデータ放送向けのページ記述言語による、放送とWebコンテンツの連動が登場し、DS LiteやWii、PS3、X Box360、IPTVといったインターネット接続可能なテレビやケーブルテレビなど、オンラインコンテンツに接続可能なツールがPC、携帯電話意外に登場しています。
これらツールのためのコンテンツの登場と、ユーザの利用は携帯電話の今を考えれば5年もかからないのではないかと思います。
逆に携帯電話は、Willcomやイーモバイルの登場でより身近になりつつあるスマートフォン、IPを利用したPC同様の定額サービスにより、携帯サイト、PCサイトという技術的な違いは無くなり、コンテンツの特性として違いが大きく出てくると思います。
Web2.0時代において、ユーザが上位に立つ、ユーザ中心のコミュニケーションを分析していくことを考え、分析する目的に合わせツールを選択するのが良いと思います。
各種アクセス解析ツールの比較については、
アクセス解析比較
を参照ください。
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