前回の"【B to BサイトにおけるWebコンサルティング:その1】ウェブKPI立案の前に"では、2005年9月から2年9か月に渡るPV推移をお見せしたので、純増イメージを持たれたと思いますが、
実際最初の数か月は上の図の通り散々なものでした。
じっくりと足場を組むことが、将来の成功に繋がることを信じる
CIと照らし合わせ、ウェブKPIを練ることは容易では無いでしょう。 実際対象サイトにおいては、CI規定を整える事から始めたため、時間も労力も3か月近くフルにかかりました。アウトソースすることも可能ではありますが、基本的な企業全体としての足場作りなので、丸ごとアウトソースをせず、企業と製品の特性を市場調査や過去の売り上げデータ、顧客リストなどと照らし合わせながらじっくり分析を行いました。
そのことで、Webのためだけでなく、営業が足で回る際の提供情報や資料についても同時に固めていくことができたため、時間はある程度かかりましたが非常に効率的かつ効果的に成長できるCI規定が策定できたことが、数倍のサイト価値につながったと言えます。
ウェブKPI立案を行う
現状のWebサイトの分析は、今後のWeb戦略に重要ではありますが、Webアクセス解析を行うに当たって、指標を決めないことにはデータから次の一手を読み取ることができません。 とりあえず取得しておくという方法はありますが、思ったよりもデータを活用できないので、とりあえずの取得データにあまり過度な期待はしないようにしましょう。 まずは、対象企業・サイトにとって必要なウェブKPIを、探りましょう。対象企業・サイトにとって必要なウェブKPIを探る
今回の対象サイトは、B to Bサイトであり、Webで物販をしているようなサイトでもありません。 企業・サイトにとってのコンバージョンポイントは、問い合わせページからの問い合わせと、電話や掲載メールアドレスへのメール問合せになります。 大まかに上の図のようにまとまり、Webコンテンツを媒介して、担当営業、オペレータ、マーケターと、マーケットが繋がっている構造です。CIでの企業のアイデンティティと照らし合わせ、実際の営業プロセスをWebに落とし込み、より効率的な営業活動を行わせる対象として、Webを擬人化することにしました。
Webを擬人化するに当たって
擬人化されたWebサイトを考えるに当たって、見込顧客と営業のマーケティングプロセスと照らし合わせてみます。 営業は見込顧客の一つ一つのタイミングにそれぞれ行動を合わせ細かい対応をしていくことが可能ですが、その分必然的に1人当たりの対応できる顧客数に限界が生じます。 AIDMAやAISAS、AISCEASといったコンバージョンプロセスの細かい説明は、 Web 2.0時代のマーケティング手法の基本的な変化 で説明しているので省きます。ウェブKPI立案時において、コンバージョンプロセスの分析にあまり時間をかけてしまうと、先を見失いかねないので、営業によるマーケティングプロセスをもう少しざっくりとまとめた上で、Webサイトによるマーケティングプロセスをどの範囲まで持たせたいのかを考えると、下記のように見えてくるでしょう。
ここまで来ると、それぞれのタイミングで営業が行っている内容を、Webコンテンツに当てはめていけばよいので、どのような情報を掲載すれば良いのかが見えてくると思います。
ここで、実際に営業が行っている活動時に使用している資料や情報をまとめたりしていると、Webと体裁を合わせられるものも出てくるでしょう。
また、細かい要件についても、様々なケースをまとめてみると、ある程度集約され、パターン化される情報が出てくると思います。
こういった情報をまとめるのに時間はかかってしまいますが、Webコンテンツと同時に戦略がより明確に見えてくるので、じっくりと行いました。
その結果今回の対象サイトは伸び始めるまでは時間がかかりましたが、Webサイトへの投資額を200万円規模とする簡単なリニューアルを行う決断を下しました。
最初から予算ありきは当然ですが、予算の中で何を最優先とし、何を行うことが今後の利益に繋がるのか、現状のシステム、Web機能にどの程度、どのように投資を行うべきかについては、かなりコンサルティング能力に差が出るところだと感じています。
実際筆者は自分でたてた戦略と、外部のたてた戦略を比較し、システム投資による社内組織構造、システム運用構造など、売上を上げるための社内フローの変化によるリスクの差を分析する点に一番時間がかかると思っています。
そして、ここに時間をかけることが結果的に後々効率的に回していけるか否かのポイントだということも数多く経験してきています。
次回は、ウェブKPIをもって、リニューアルの目標を探った例をお話ししようと思います。
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