前回の"【B to BサイトにおけるWebコンサルティング:その2】Web戦略立案"で、Web戦略立案を行うためにじっくりと足場を組むための分析についてお話をしました。
上の図は、2006年9月に行ったリニューアル前から、リニューアル後までのPVの推移になります。
今回は、Web戦略立案を行い、分析を行った後の施策から、リニューアルまでのお話をしようと思います。
リニューアル前だからこそ、Webアクセス解析が重要になる
Web戦略立案を行うことで、Webに対してどのような価値を与えるのかといった目標が見えてきます。 これは逆に、現在のWebサイトにおける分析指標にもなるといった重要な意味も持っています。 私は過去の経験から、お金と時間をできる限りかけないことが、大きな成功へ繋がると感じています。 もちろんかけるべきところにお金をかけることは重要なので、低価格で成功させることはもっと厳しい条件となります。 1000万円の予算に対してのコスト配分を見極めたうえで実行することが必要です。 とはいえ、実は今回の場合は予算は200万円という異常な低価格で行いましたが・・・予算の話は外して、Web戦略立案から現在のWebがどのような状況であるのかを分析することで、何をどのようにしていったら良いのかを見極めていきます。
Webの現状を知る
Web戦略において目指す方向性に対して、現状のWebはどういった状況なのかを探ります。来訪者の傾向を知るために
- どういったコンテンツにどの程度の来訪があり、滞在時間はどの程度なのか
- どういった外部サイトからの流入があるのか
- 自然検索ワードはどのような傾向があり、ランディングページは適正であるか
- SEOに対するランディングページでの滞在時間の傾向はどのようになっているか
- クリック間隔はどのような状況か
を調査し、
サイトの傾向を知るために
- 各URIのクリック数、参照元ヒット、検索エンジンヒット、入口ページ、滞在時間、直帰数
- 検索ロボットの来訪傾向
- 来訪者の国とOS
を調査しました。
それぞれWeb戦略を指標として掘り下げていくのですが、下図のように、カテゴリ毎に掘り下げていくのが良いと思います。
この図だけでも、読み取ることができる情報が多々あります。
B to Bサイトなので、一般的に会社情報のカテゴリにアクセスが集中するのは当然だと思って良いでしょう。
B to Bサイトの場合、会社情報のアクセスよりも商品情報のアクセス数を稼ぐのは非常に困難だと言えます。
よほど商品名のみが爆発的にマーケットに対して広まるよな事態に陥らない限りは、B to Bでのビジネスにおいて商品よりも会社に目が向くのは当然だと言えると思います。
商品カテゴリへの来訪が少ないからと言って、PV傾向のみでガッカリするのではなく、検索ワードの傾向も分析しましょう。
これにより、来訪者が商品名で来訪しているのであれば、それほど即座に対応しなければならない大きな問題では無いでしょう。
ここにとらわれすぎると、SEO/SEM対策に目が行ってしまい、現時点で把握すべき視点を見失ってしまいます。
救いだったのは、この企業では取扱い製品が2種類しか無いのにも関わらず、製品案内のアクセス数が多かった点にあります。
ただ、製品や会社についてのPVに対して、問い合わせが異常に少ない状況が大きな課題点として見えてきました。
これにより、製品案内に対しての流入傾向と、滞在時間などから読み取る来訪者の興味度合いなどを分析し問い合わせに対する誘導策を練りました。
これにより、徐々にではありますが、問い合わせ件数は増加。
その他来訪者の傾向から、来訪者が求めている情報を分析し、来訪者の求める情報をサイトに掲載することで、個々のコンテンツのPVも増加していきました。
これ以外にも色々と細かい分析も行っています。
また、サイトの修正を行いつつ、反応の変化を見たり、プロモーション施策を行った結果の分析も行っています。体力は使いますが、じっくりとこれらの分析を行うことで、リニューアルにおけるテーマが見えてくるのです。
予算という条件と照らし合わせても、Web戦略を実現するために、まずは問い合わせ件数を増加させることに目標を置き、システム的な要素よりも、コンテンツの中身、情報の拡充が大きなポイントであり、それらの情報に対して誘導するために、SEO効果を高めることができる作りにすることにしました。
次回は、2006年9月にリニューアルを行った後のWeb戦略についてお話ししようと思います。
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