モバイル・携帯における「動画系コンテンツ」のポイント by 「モバイル マーケティング ソリューション ガイドライン」の
ここのところ、DoCoMoのBee TVや、SoftBank MobileのS-1などで盛り上がっている、携帯サイトでの動画系コンテンツについて、
先日公開された、モバイル マーケティング ソリューション協議会(以下:MMSA)の
「モバイル マーケティング ソリューション ガイドライン Ver.2.2」(以下:MMSG)より、
第1章 オンアクセス編、
"⑥動画系コンテンツ"
にてポイントを紹介したいと思う。
なお、MMSGの最新版となるVer. 2.2は、2009/7/9時点で、MMSAのサイトからPDFダウンロードができない状況だが、問い合わせから配送をお願いすることができるとのことだ。
【出典・引用・関連】
モバイルマーケティングソリューション協議会(http://www.mmsa.jp/)
動画系コンテンツ
概 況
2009年に入り、携帯動画配信の市場環境はマーケティングの手段として十分に実用的な水準となり、携帯動画を利用したマーケティングは普及期に入ったと言えます。 市場環境を要素別に見ていきますと、まず第1に端末スペックが向上し、マーケティング用途に耐えうる動画の配信が可能な端末は、アクセスシェアベースで約99.5%にも達しました。 また、第2の要素としてパケット定額制の加入者が増加し2008年の調査で全体の52.3%にも達しました。動画の配信環境としてはPCに迫る普及率となりインフラとしては十分に整ったと言えます。 さらに、第3の要素としてユーザーの動画利用への意識・習熟に関して、これまでモバイルの優位点であった撮影機器としての携帯動画に加え、Youtubeやニコニコ動画等のPCモバイルサービス大手の携帯への対応、ワンセグ等のサイマル型の携帯動画利用の普及により、携帯端末に対する動画視聴環境としての意識が高まってきています。 この市場環境に支えられ、これまでのストリーミング主体のコンテンツ配信ビジネスに加え、上述のCGM型の動画配信サービスや、企業のマーケティング用途での動画配信が2009年はますます盛んになる予想されます。 今後の課題としては、マーケティング用途での利用が増えると、多キャリア・多端末対応が条件になることが多いためダウンロード型での配信方式をとることが多く、現状端末の容量の制限から画質と映像の尺のバランスをとることが難しいため、端末の容量の増加が望まれます。
定 義
モバイルマーケティングにおける動画系コンテンツとは、携帯電話でキャリアの提供するインターネットサービス(IP接続網)を通じてオンデマンドに配信される動画コンテンツを云い、ユーザの視聴を伴うものと定義します。
ワンセグやアナログTV、デジタルラジオ等の放送電波を利用して配信されるものや、S!ケータイ動画等PCのポッドキャスト端末として携帯電話を利用するもの、TV電話を通話としてだけ利用するものは除きます。また、スマートフォンやフルブラウザ経由でPC向けの動画配信環境へアクセスするものも対象から外しております。
主要な用途
主要な用途 | 公式サイト | 非公式サイト | ||||
---|---|---|---|---|---|---|
Docomo | au | Softbank | Docomo | au | Softbank | |
権利が絡むものを短い尺で 多くの端末に配信したい | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
着信等携帯の機能に 設定させたい | ○ | ○ | ○ | × | × | × |
権利が絡むものを 長い尺で配信したい | ○ | × | △ アプリによる | ○ | × | × |
権利に裁量があるものを バイラルで拡げたい | × | × | × | ○ | ○ | ○ |
権利が絡むものを短い尺で配信したい
TVCMやタレントを利用した映像等を配信したい場合は、著作権保護、転送制限等の可能な、キャリアが提供するコンテンツ型のサービスを利用することをお薦めします。各キャリアの動画サービスは公式サイト、非公式サイトともに利用可能です。再生制限はソフトバンクのみ公式サイトでの提供が必要です。
データ形式として、以下の4種類の形式が現在利用されております。
- 3GPP(NTTドコモ:ファイルサイズ300K~10Mbytes迄 / SoftBank:ファイルサイズ200Kbytes)
- GPP2(au:ファイルサイズ140K~1.5MBytes迄)
- ③ ASF(NTTドコモ:ファイルサイズ100KBytes迄)
- AMC(au:ファイルサイズ100K~512KBytes迄)
各端末にいずれか1つもしくは複数の形式及び映像サイズに対応しますので、各キャリアの端末仕様を確認しながら、複数のファイルを製作することが求められます。
着信等携帯の機能に設定させたい
着モーション、着ムービーと呼ばれる着信時に動画を設定する機能はdocomoでは900i,700i以降のFOMAから対応しています。着信設定は公式サイトでの提供が前提となります。公式サイトで配布されているソフトウェアを利用し、着信設定を施す必要があります。公式サイトでは3キャリア利用可能です。
権利が絡むものを長い尺で配信したい
映画やTV番組、アニメ等をノンストップで長尺動画を配信したい場合は、動画提供用アプリを使用してストリーミング配信する方法を選択する必要があります。この方法での動画配信の場合は、携帯ユーザへアプリを配布させる必要があります。長尺映像を提供できるという代わりにアプリをダウンロードさせるという手間をユーザに強いてしまうという短所があります。また、配信できるキャリアが制限されていますので、ご注意ください。
<動画配信アプリについて>
動画配信アプリ自体は、オリジナルで開発することは少なくjig、アクアキャスト、モバラジムービーなどのいくつかのアプリを選択して使用します。それぞれ特徴がありますので、用途に応じて選択してください。
<キャリアの対応状況>
キャリアの仕様による制限で、docomoとSoftBank(公式サイトで一部のアプリのみ)が対象となります。アプリによって、対応キャリア/対応端末が異なりますので、必ず確認するようにしてください。
<パケット定額制への対応>
パケット定額制が適用されますので、定額制に契約の方は通信料を気にすることはありません。
<対応機種>
docomo3G端末の大部分が対応端末となっています。一部、非対応の端末がありますので、各アプリの仕様を確認してください。
権利に裁量があるものをバイラルで拡げたい
バイラル効果を狙うなら、YouTubeやニコニコ動画等のCGM系のサイトへの登録がお勧めです。アップした動画を他のWebサイトやブログに表示させることによる拡がり、ユーザからのコメントや評価を受けることによりる拡がりが期待できます。 ただし、ユーザからのリアルな声が反映されるため、これらのサイトを活用する際は、サイトの持つコミュニティーの価値を理解する必要があるでしょう。 最近では多くの企業が活用し、プロモーション手法として利用しています。例えば、限定動画の配信やプロモーション映像をはじめ、プロデューサーのインタビューやゲームの攻略法など様々なコンテンツを配信しています。またサイト内に企業や商品のチャンネルを開設し、随時情報を提供しているところもあります。サービス開始までの流れ
権利関係の確認
動画コンテンツの配信を行う前に、配信を行う動画自体や動画内に流れる音楽、出演するタレント等の各種権利関係を確認します。 この際に、TVCMを配信する場合は予めAdmissionへの参加の可否を、動画内でJASRAC等の管理楽曲を使用している場合はJASRAC等への申請の可否を判断し、必要に応じて各種団体及び権利関係の保有者と調整の上、必要となる団体への参加及び申請を行います。(特に、管理団体の手続きを行わずに権利処理が可能な場合も、各管理団体及びその管理団体が運用するシステムの利用を推奨します。)
配信条件の決定
動画コンテンツには、上記著作権等の権利関係を保護する再生制限(再生回数、期間、期限)と転送不可(端末への保存、メールでの転送、SDカード等外部メモリへの保存)の設定を施すことが出来ます。 権利関係各者と調整の上、配信する際の条件を合意しておく必要があります。 但し、全ての端末で同一の条件で制限できるとは限りませんので、ご注意下さい。
動画ファイルの制作
撮影、収録された動画素材等を、オーサリングツールで読み込み、必要に応じて映像を編集します。この際、画面サイズやタイミング、画質、音質の調整、トランジション等の編集を行い、実際に配信する映像部分を完成させます。
エンコード
次に、エンコードツールを用い、実際に携帯電話で見ることが出来る形式にファイルを生成します。この際、映像、音声の設定やタイトル、コピーライトの情報付加、転送不可、再生制限の設定、テキストテロップの追加等を行い、各端末に最適化したファイルとして、複数のファイルを制作します。
公式サイトで可能な設定処理
着信時に動画コンテンツを呼び出し音として使用する場合は、各キャリアの公式サイトでの提供が前提となります。公式サイトに配布されるソフトウェア等を利用し、着信設定を施します。 又、SoftBankの公式サイトの場合、再生制限も公式ソフトウェアを利用して行います。公式サイト以外で再生制限を行うことが出来ませんのでご注意ください。
ダウンロードページの制作
動画ファイルをダウンロード又はストリーミングするページをコーディングします。この際に再生制限や転送不可設定をHTMLタグで制御するものは、その制御コードを記述します。
端末の振分設定
各端末に最適な動画ファイルをそれぞれの端末がダウンロードもしくはストリーミング出来るよう、端末の振分設定を行います。 ファイルサイズ、映像サイズ、ファイルフォーマット(映像、音声、多重化)の諸条件により、各端末に最適なファイルを自動的に振り分けることが望まれますので、自動振分プログラムによる出力を推奨します。
関係各者の確認
実際に制作が完了したら、権利関係を保有する各者及び配信主体者の確認及び承認を持って、サービス提供までの一連の作業が完了します。
実施時の注意点
ストリーミングとダウンロード
PCサイトで一般的なストリーミングも、携帯端末では一部を除き対応しておりません。特にタレントを起用した動画やTVCMの配信時には、ダウンロード型のコンテンツ配信であること、再生制限や転送不可設定の条件を権利関係各者と明確にする必要があります。
動画タイトルとコピーライト表示
各動画ファイルにはタイトルとコピーライトをメタデータとして記述することが可能です。但し、端末毎に表示される文字数が異なりますのでご注意下さい。
ユーザへの配慮
動画ファイルは携帯端末への情報配信において、多くのデータ量を必要とするコンテンツの一つです。パケット定額制が普及しつつある現在も、高額なパケット代の請求によるトラブルの要因となるコンテンツですので、データサイズ及びパケット代の指針をダウンロード前に明示することが望まれます。
測定におけるポイント
来訪者の端末が対応している機能を把握することが重要となります。 放送波の解析を行うことはできませんが、ストリーミングデータ、BMLなど、HTML上の通信を解析することが可能なツールも存在します。 動画再生アプリケーションや、Flashの再生ボタンに仕組みを組み込むことで、再生タイミングの把握を行うことや、タイムバーに仕組みを組み込むことで、再生時間を解析することが可能です。 ただし、セキュリティ上の観点から、外部ネットワークへ接続、データ蓄積されるタイプのツールには注意が必要です。主な効果測定項目
- 端末機能情報
- セッション数
入口ページに流入した数を判定
- ユニーク数
同一来訪者(来訪端末)を判定
- 入口ページ
パラメータ付きの流入ページにて、空メールやQRを含む外部広告からの流入を判定
- イベント
インプレッション(閲覧)、流入開始から終了まで
- クリック数(クリックスルー)
- クリック率(クリックスルーレート)
- 新規訪問者数
- 再訪問者数
- 直帰数
- 直帰率
- 1セッション当たりのページビュー数
- コンバージョン数
- コンバージョン率
- 行動経路解析
【出典・引用】
モバイル マーケティング ソリューションガイドライン Ver.2.2|モバイル マーケティング ソリューション協議会 発行
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