Webサイトのリニューアルの前に

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昨年末からWebサイトのリニューアルの話しを耳にすることが増えました。
筆者の狭い行動範囲で聞こえてくる声なので、実態はわかりませんが、丁度Web創世記に「とりあえずWebサイトは持っておかないと」ということで立ち上げたサイトに、付け足し付け足しで行ってきた施策もそろそろ火を吹き始め、長期的なWebビジネスの視点でリニューアルを決断したとの意見が大半を占めています。

Webリニューアルにおいて、重要なポイントとは何か
一番あると良いのは、「お金と時間」に他ならないのですが、これが整うようなお話は超稀少です。
しかし、この重要なポイントを理解しているWebビジネスサイト、企業、担当者は、筆者の過去の経験上において間違いなく成功を収めています。

「お金と時間」については理解しているが、現実的に非常に厳しい状況。よくある話です。
が、この「お金と時間」をどれだけ効率良く効果的に結果として出せるか。
これがポイントであり、ただ安くてもTCOに格差が生じることも事実であり、これによりWebビジネスが結果的に破綻した例も経験しています。

効率的な「お金と時間」でWebリニューアルに必要なもの

それは、現行サイトのコンセプトです。
【myRTで始めるアクセス解析:第11回】Webユーザビリティテストを行ってみるでお話しをした、ユーザビリティチェックのポイント8項目とサイトのコンセプトを照らし合わせると、リニューアルにおけるコンセプトが見えはじめてくると思います。

その上で、必要なものとして、ユーザの利用状況、アクセス解析データの必要性が生まれてきます。

サイトのコンセプトとユーザの受け取るコンセプト

【myRTで始めるアクセス解析:第5回】ROI解析による広告効果測定方法でレポートした5W1HのWebサイトのコンセプトに対して、サイトに訪れているユーザは一致しているでしょうか。

Webサイトに来訪しているユーザは、リアルの店舗とは違い、姿形が見えません。幾らアンケートを取ったとしても、本当に20代の女性で抜群のプロポーションであるのか、年収1500万円の20代証券会社営業マンであるのかはわかりません。
とあるアパレル系のECサイトのWebでの登録者の8割が20代前半のスタイル抜群のプロポーションの女性だったのですが、購買している商品がXLサイズのスパッツなど、到底該当顧客との一貫性が見えないなんていう事がありましたし、その他のサイトでもよく起こりえる事です。

ここにどのデータをどのように信じてよいのかわからなくなり、サイトが持っていたコンセプトまで見失う岐路が存在します。

アンケート結果からだけ読み取ったマーケティングデータにより、20代女性向けのサイトデザインと商品、広告も20代前半向けの媒体に出稿し、なかなか効果が現れないとウンウン唸っているうちに売上激減、Webビジネス破綻の危機。。。
という事もありましたが、
読み取るべきはサイトのコンセプトにどのようにユーザの心理を捉えるかにあると思います。

"XLサイズのスパッツを買う女性は、20代前半の女性を演じたいのだな"と、リアルで面と向かっていないだけに、逆にユーザの内面を引き出すことができるのです。
見えないからこそ見えてくる、見えてないと思うからこそ見せてしまう。
この情報を掴み、Webに反映させ、ユーザを捉えていくことが、Webリニューアルの大きなポイントになります。

一度失敗して離れていってしまったユーザを引き戻すことは非常に困難であり、さらなるコストがかかります。
ユーザが離れてしまう前に、ユーザの心を捉えておき、リニューアルに期待をさせておくことも重要でしょう。

ユーザにもサイトのゴールが何なのかを知ってもらう

【myRTで始めるアクセス解析:第5回】ROI解析による広告効果測定方法でレポートした、サイトの目的に対して、来訪ユーザが理解をしてアクセスしているのかがポイントになります。
誘導できているのか、効果的な経路を辿ってもらえているのか、サイトの目的に合ったキーワードで、適切なページに来訪しているのか、を理解する必要があります。

  • 認知の拡大
  • 見込み顧客の増大
  • リピーターの獲得

というフェーズを踏み現在に至っているのかどうか、現在のWebサイトとユーザとの関係はどのフェーズであるのかによっても、サイトの目的や必要な施策が変わってきます。

市場全体の変化により、Webサイトの目的、ユーザとの関係とフェーズが変動する例もありますが、これらを認識するためにも、アクセス解析データが効力を発揮します。

媒体価値と市場性に対するコスト

現状のサイトを広告媒体と認識していたり、リニューアル後はもっと広告媒体としての価値を上げていこう。といったお話しも耳にします。
これはブランディング化という視点では間違ってはいないのですが、根本的にWebサイトは広告媒体ではない事を理解しておく必要があります。
Webサイトは、あくまでも媒体価値とセットでユーザにブランディングイメージと、サイトに利益を与えるものです。

新聞や雑誌媒体に広告を出す場合は、過去の販売部数や読者層、掲載内容に応じて価値が決まってきます。
テレビCMの場合は、視聴率や時間帯、内容、出演者による視聴属性などから価値が決まってきます。
Webサイトの価値を計るためには、アクセス数や来訪者属性、サイトのコンセプトによって価値が決まってくるのですが、これらを測定するにはアクセス解析データが必然的に利用されることになります。

半ば無理やりサイトのコンセプトや来訪者属性、来訪者を無視した内容にコストをかけても、結果は出てきますが、どうしてそういった結果になったのか、どうすればより良い結果になったのかといった次の施策はアクセス解析データから読み取るのが一番早く効果的な手段となります。

Webサイトの価値と費用対効果を把握することも、リニューアルに必要なポイントです。

ユーザがWebサイトを介してどのようなコミュニケーションをしているのか、それによりどのような施策が必要とされているのかを把握し、適切な箇所へ適切なコストをかけることが、リニューアルによる成功につながると思います。

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