世界中に瞬く間に普及した携帯電話。その市場規模は携帯電話のWeb活用の進展でさらに大きく広がろうとしている。これに対して日本企業はかつての小型家電での栄光を取り戻せるのだろうか。
【出典】Next Wave:携帯Web分野でも世界から無視される日本
小児麻痺ワクチンよりも早い普及スピード
既に携帯電話が実用化されて26年経ち、世界中では33億台にも広まっているという。 台数換算だと世界中の2人に1人が利用している計算になり、普及スピードについては小児麻痺ワクチンよりも早く、これほど急速にワールドワイドに広まった技術はほかに例がないそうだ。自分の環境を見ると、キャリア仕様のメールから、Webメールが使えるようになり、携帯サイトが普及し、カメラまで付いており、ここ数年で携帯サイト向けコンテンツの多様性は急速に広がっていると感じるが、
ワールドワイドで見ると、まだまだ音声通話とSMS(テキストメッセージ)が主体であり、米国と欧州でも音声通話・SMSにMMS(写真などを添付したメッセージ)以外はほとんど利用されていないという調査結果もあるとのことだ。
米国では2006年時点で約4割の携帯にWebブラウザ機能を有しているにもかかわらず、実際の利用率は7%とかなり低い状況で、幾留氏は米国に、携帯でWebブラウズするというライフスタイルが存在しなかったことと、データの通信速度の不安定さ、遅延なども原因ではないかという。
携帯でサイトにアクセスは当たり前の日本
一方日本では携帯利用者の65%がモバイルサイトを日常的に利用し、音声通話以外においては、Eメールが93%、カメラ機能が74%の利用率があるとの調査結果がある。個人的な印象だが、10年前にはまだパケット定額などのサービスが無く、モバイルコンテンツも非常に少ない状況で、ゲームもアプリで動くようなコンテンツは無かったが、
パケット定額が一般化し、その後急速にアプリが広まり、ゲームやSNS、コマースサイトなどなど多種多様なモバイルコンテンツが生まれてきた。
ここ数年では、お財布ケータイ、少額決済機能やワンセグなど携帯を媒介した公共サービスも急速に増えている。
このことから、フォレスターリサーチも日本は携帯Web分野において、技術的、利用方法、普及率から見て世界の最先端を行っていると報告しているとのことだ。
iPhoneの登場で状況に変化が見えてきた携帯Web
インフラやライフスタイルなどの問題で普及しづらかった米国だが、ここ数年でインフラが改善され、さらにiPhoneに触発され、2006年に7%だった携帯Web利用者は、最新の統計では19%まで上昇しているという。 欧州の統計においても同様の傾向が見られるとのことだ。欧米においては、Web利用者の急増傾向から、Web機能を有した携帯端末の生産台数の増加予測だけでなく、同時に携帯Web広告の市場規模も2011年には110億ドルにも拡大すると予測されている。
しかし、これだけチャンスを見込んでいるにもかかわらず、携帯Webで最先端を行っていると言われている日本の期待値も高まっているとは感じ辛い。
幾留氏は、その理由に
「最大の理由は、日本の携帯電話の基盤には、日本でしか通用しない技術が多すぎるためではないかと思う。つまり米国や欧州にとっては具体的に参考にしづらいのである。日本の電話会社は世界標準から離れて独自の世界を作り上げている。それは多分、その昔日本が競争力のなかった時代の、国内産業を守るために取ってきた独自仕様戦略を、今でも引きずっているためではないだろうか。」
と言っている。
私も最近急激にモバイルコンテンツビジネスのコンサルティングが増えてきて、接触してくる機種やユーザの反応を分析しながら、キャリア、端末メーカの仕様によりユーザとの関係が築きづらい点を感じることが多々ある。
本記事がしめているように、
「携帯WebはIT分野で日本発の世界標準を作れる千載一遇のチャンスでもある。世界に目を向けた攻めの戦略が必要な時ではないかと思う。」
は重要なメッセージだと思う。
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