ついにNTTコムがデジタルフォレストを買収

NTTコムがデジタルフォレストを買収

NTTコム、デジタルフォレスト買収 企業のウェブ活用営業を支援


前々から噂は出てましたが、昨日発表されていました。
Webアクセス解析ツール「Visionalist(ビジョナリスト)」を提供していた「株式会社デジタルフォレスト(http://www.digitalforest.co.jp/)」がNTTコムに24億で買収され、100%子会社化されたとのこと。

ニュースによっては、提携によるマーケティング事業強化を表に出し、出資という表現にとどまるなど、100%の出資という事実上の子会社化という点についてあまり触れていないリリースもある。
デジタルフォレスト自体は上場企業では無いし、アクセス解析ベンダーといっても、それほど認知も無いので、特にツッコミも無いのだろう。
デジタルフォレスト社は国産解析ツールベンダーとしては老舗に当たる企業で、2008年夏にはインド・チェンナイに現地法人を設立するなど、ベンチャーらしい動きも見せていただけに、
マイナスイメージに映りそうな表現を避けたのだろうか・・・

【出典】Fuji Sankei Business i「NTTコム、デジタルフォレスト買収 企業のウェブ活用営業を支援」

NTTコムによるVisionalist(ビジョナリスト)買収で、パケットキャプチャ方式が復活する?

携帯サイト向けWebアクセス解析サービスにおいて、パケットキャプチャ方式に対応したニュース(携帯サイト向けWebアクセス解析サービス Visionalist(ビジョナリスト)モバイル解析 広告・行動分析完全対応『Webビーコン型』提供開始)はインパクトの割に、トラフィックの多いサイトや、HTTPS(SSL)ページの分析時に、データの欠落が多く集計に支障があるといった話を耳にしますが、Visionalist(ビジョナリスト)のページ(http://www.visionalist.com/)のサイト内検索でも、引っかからないようで、積極的な展開は行っていないようです。

パケットキャプチャ方式といえばオーリック・システムズ株式会社の「RTmetrics(http://www.auriq.co.jp/rt/)」の独壇場と言っても過言ではない状況だったので、選択肢が広がる期待をしていたのですが、NTTコムの買収により再度浮上してくる可能性もありそうです。


「RT metrics AM」の対抗馬?、ネティーザ版のこれからは

既に高速に全てのセッションデータを格納しながら、高い拡張性を維持し、万を持して発表された、 「RTmetrics AM (Advanced Analytic Module)」の対抗馬としてか、 昨今肥大化しているトラフィックに対して、解析パフォーマンスを向上させるための選択肢として、 Visionalist(ビジョナリスト)は、日本ネティーザと提携し、システム基盤の一部にネティーザ・パフォーマンス・サーバ(Netezza Performance Server:NPS)を採用したというニュースが、08年の6月に発表された。

価格が1セット最低1億円という、RTmetrics AMの10倍近い価格(筆者が見積もりを取った際の最低価格)であり、リリース当初は2010年までに10セット、10億円の販売目標を掲げていたが、半年経った今、軒並み広告費が削減されているマーケットにおいて、どのような状況なのだろうか。

少なくとも筆者の耳には導入企業の話は入ってきていない・・・

【出典】CTC、デジタルフォレスト社と販売代理店契約を締結 Webログ解析ソリューションビジネスへ本格参入

動きの盛んなオムニチュア(Omniture)

サイトカタリスト(Sitecatalyst)を提供しているオムニチュア(Omniture)社は、ユーザを集めた大規模なオムニチュアサミットを開催するなど、イベントへの参加も目立っている。 09年3月24日には、DAC(デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム株式会社)との協業や、検索連動型広告入札管理ソリューション「Omniture SearchCenter」など、広告解析において、力を入れているようだ。

Visionalist(ビジョナリスト)に比べると、モバイルでのニュースは少なく、SiteCatalyst mobile(サイトカタリストモバイル)の為にOEM提供を受けたMOBYLOG(モビログ)が思ったより動きが悪かったり、アナリストにとってPCとの指標の差異が分析効率や判断を鈍らせるなどの評判を耳にする。

モバイル・OEMで好調をアピール?オーリックのRTmetrics

モバイルコマースグランプリの大賞を含め、各部門賞受賞サイト全てに採用されていたというニュースがあった、オーリック・システムズのRTmetricsは、モバイルビジネスで成功している企業における必須アイテムという印象をマーケットに与えたと言える。

大賞を受賞したニッセンは、08年度で150億の売上をケータイサイトのみで出したという。09年度は190億の売上を予定しているとのことで、ケータイサイトのみでこれだけの売上を上げている企業があることをアピールした。

価格.comは、PCサイトではサイトカタリスト(SiteCatalyst)を採用したものの、ケータイサイトにはサイトカタリストモバイル(SiteCatalyst mobile)を採用せず、細かな分析を的確かつ高速に行うことができるうえ、柔軟性の高いAPIが、今後のモバイルビジネスへの活路に価値があるとの判断において、「アールティメトリックス(RT metrics)」の採用を決定したという。

価格.comモバイルでは、店舗の商品バーコードを携帯で撮影することで、価格.com上の価格情報や、商品情報を閲覧することが可能になっている。

安い商品を見つけられる点だけ意識してしまうと、店舗に不利益なサービスと見えてしまいがちだが、実際は購入店舗のサービスについての情報や、評価や、商品についての情報なども来訪者は閲覧しているため、リアル店舗でバーコードをかざし、価格比較を行って安い店舗に離脱してしまうよりも、より良い商品、サービスをリアルの店舗に求め、リアルの店舗でのコミュニケーションに繋がっているのではないかとみている。

RTmetrcsではデータセンター事業者や、Webサービス事業者と組んで展開しているOEM Editionにおいて、NEC BIGLOBEとの提携によりWebMilというサービスをSaaS型で提供したという。

既にオーリック・システムズとして08年5月にSaaS Editionを提供しているが、SaaS Edition提供発表後あまり盛り上がりを見せていない。発表当時は初年度150社の導入を謳っており、Visionalist(ビジョナリスト)の従量課金モデルに真っ向から勝負をかけた価格帯であったが、Visionalist(ビジョナリスト)の今回の顛末に至った経緯の一つが、このSaaS Editionのビジネスに垣間見えるかもしれない・・・

方や、08年10月末に突然発表された無料のケータイサイト解析サービス「myRTモバイル」は、順調に登録サイト数を伸ばしているようだ。

やはり元々得意分野としている超高速データベースの安定性からか、既に月刊21億ページビューの解析を実現しており、利用者にとっても、登録サイトのPV上限が無い点や、広告などが表示されない点など、ビジネス利用においても十分なパフォーマンス、レポートである点が大きいようだ。

同様の無料ケータイサイト解析サービスはあるが、月間数10億PVものデータを効率的に解析できるサービスとしては提供できていない点では、オーリック社はモバイルにおいて数歩他社より前進しているように受け取れる。

不況による広告費削減の風潮の中、アクセス解析ツールの未来は・・・

財務省昨日25日発表の2月の貿易統計速報によると、輸出額は前年同月比49.4%減、輸入においても前年同月比で43%減で、輸出、輸入共に急減が止まらないという。

Webにおける広告という意味では、Googleによるモバイル広告サービスの参入などで、PC、モバイルの垣根が一層低くなったことに加えて、モバイルへの誘導策としての雑誌、新聞、テレビ、交通広告といったリアル媒体との連動の必要性によって、企業にとってはWeb広告という位置付けから、誘導媒体という位置付けに近付いている。

とはいえ、広告費という予算から、各媒体にバラして予算化されている現状ではあるが、基の広告費自体が、減っている状況においては、自然とWebに落ちてくる予算も減らざるを負えない状況だ。


輸出・輸入産業に関わっている企業の広告費が削減せざるを負えないのはわかるが、テレビや新聞といった媒体への予算削減を一概に不況のせいにしてしまうのはいささか疑問が残る。

先日見事に2連覇を達成したWBCの決勝における平均視聴率は、43%であったとビデオリサーチ社の発表があった。

筆者の勤務する赤坂周辺では、電気屋のプラズマテレビにはサラリーマンだけでなく、配送屋の人や、近くの店舗従業員、主婦まで群がっており、歩いている人の手には、就職活動中の女子大生まで携帯でワンセグ放送を受信しているほどだった。

M層にとっての野球ではなく、F層も野球で惹きこむことができている現実からすると、
この状況から見るに、不況による媒体への広告費削減ではなく、人を集めるコンテンツ、惹きこむコンテンツが少ないことと、視聴者とのコミュニケーション、効果を計測することが困難な媒体であるために、クライアントに効果をを説得することができず陥った広告費減を、「不況」のキーワードに絡めてしまっているだけなのではないかと感じる。

個人的には、テレビや、新聞、雑誌、交通広告とった、効果測定が難しい媒体だからこそ、コンテンツの質の向上などで打開していく方向の模索や、Webとの連動によって媒体価値を計測し、クライアントとより良い関係を作り上げるなど、不況など負のイメージのキーワードを使わずに改善策を模索した方が良いように思う。

なんだか今の紙媒体、TV,交通広告の話は暗すぎる・・・

そんな中、今回のNTTコムのデジタルフォレストの買収により、


  • ウェブを利用した営業活動を効率化するコンサルティングサービス

  • NTTコムが販売するデータ管理や顧客管理システム、携帯電話などを活用した営業ツールの販売・導入


と総合的なマーケティング支援や、

  • 顧客のネット上と実際の店舗での両方での活動の総合的な分析

  • 商品紹介メールの送信やネット上での広告配信

  • ウェブ上での商品購買やアクセス履歴情報と顧客情報の組み合わせ


などにおいて50億の売上を目指すとのことなので、一石は投じられるのではないか。

Visionalist(ビジョナリスト)の解析方式においては、セキュリティ上の安全性や、安定稼働、連携における柔軟性など、数多くの課題や、疑問点があるが、
この買収により企業におけるPC・モバイルのWebを含めた広告やサイトの効果測定が啓蒙され、アクセス解析市場が活性化し、景気が上向きになることを期待している。

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