モバイルアクセス解析は難しい?

モバイルサイトのアクセス解析専用ツールとして売られているものを見かけることが多くなりました。
ニーズがあるから目にする機会が増えたのか、携帯の普及とブロードバンド化、コンテンツの増加による先見的な企業が増えたために目にする機会が増えたのか、その辺りは実際には良くわかりませんが、そもそもモバイルの解析はマーケティングの視点からは非常に難しいものだというイメージがあります。

モバイル解析は何が問題で難しいのか

マーケティング=ユーザ行動解析とした場合、PCサイトの場合はユーザをクライアントのIPアドレスとUserAgent(ブラウザの情報など)によって識別します。また"myRT"などのようにCookieをもとにユーザを識別することによって、1ブラウザを1ユーザというルールでユニークユーザとして識別することも可能です。また、PCサイトは"myRT"や"Google Analytics"のようなJavaScriptタグを貼ることが可能なため、タグ式(Webビーコン型)と呼ばれるアクセス解析方法が可能です。

しかしモバイルサイトの場合は、携帯端末の仕様の問題として、携帯端末ブラウザの多くはJavaScript、Cookieを使用できません。さらに、アクセス元のIPアドレスもキャリアのゲートウェイを通るたび、クリックするたびに変わってしまうために、一意のセッション、ユーザとして捉えることができません。
PCだと当たり前のようにできていたユーザ行動解析が、モバイルではユーザを識別することができないため、行動を追いかけることができないことが、モバイル解析が困難であると言われている根本的な問題となります。

キャリアの仕様という高い壁

DoCoMoに関しては、キャリアのゲートウェイサーバを通過すると、IPが変わるだけではなく、Referrer情報(参照元の情報)も失われてしまいます。直前どこから来たのかという情報だけではなく、検索エンジンに入力したキーワードも失われた状態でサイトにアクセスした結果になってしまいます。

解決法が無いわけではない

携帯端末には、個々の端末ごとに、UID(個体識別番号)とよばれる番号が振られています。キャリア毎に個々の携帯ごとの値を含んだ形でWebサイトとのやり取りを行っています。この個体識別番号を基軸としてユーザ行動解析に生かしているツールが、製品として複数あるようです。

無料ケータイサイト解析ツール「myRTモバイル」

2008年10月28日に、RTmetricsを提供しているオーリック・システムズ株式会社から、 myRTモバイル「http://myrt.auriq.com/mobile/jp/」 が公開されました。

非常に高機能で、ビジネスユースにも十分耐えうる性能であり、無料でありながら広告が出ない有りがたいサービスです。
ケータイサイトの解析ツールをお探しの方は、試してみると良いでしょう。

PCサイトと同様のマーケティングが可能か

ログ型解析ツール、タグ型(Webビーコン型)解析ツール、パケットキャプチャ型解析ツールとそれぞれメリット・デメリットがあることは、アクセス解析ツールのメリット・デメリットにてお話しをした通り、それぞれあるのですが、
モバイルサイトでビジネス収益の高いサイト、規模の大きいサイトの多くは、動的サイト、URLは1つといったサイトが多くあります。また、PCサイト以上にアクセスが急激に増加する可能性が高く、Webサーバの安定稼動も意識しなければならないポイントになります。

これらを考えると、タグ型はそもそも現在のモバイルマーケティングには向いておらず、タグ型ではWebコンテンツを含めサービスサイトへの負荷、リスク及びワークメジャメントへの影響が懸念されます。
一意の個体識別番号を基軸として、動的ページも解析可能であり、Webサービスに影響が無いという点ではパケットキャプチャ型製品が一番メリットが高いと思います。

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「うごくひと」でモバイルもweb解析 from ターゲティング・マーケティング! on September 24, 2008 1:39 AM

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