Webマーケティングの話題が増えてきたようなので、より実践的な話を、データと照らし合わせながら、書き連ねていこうと思う。
上の図は、筆者が担当を始めた2006年2月より前から、今現在に至るまでのBtoBビジネスを展開するとある企業のサイトのPVを表している。
具体的なPV数については省かせていただく点はご了承いただきたい。
改めて振り返ると、担当を始めた2006年2月前後に比べて、最大で4倍以上にまでPVを増やすことに成功していることがわかる。
委託されたサイトについて
対象の企業は非常に小規模な企業であり、なおかつ製品も非常に狭いマーケットに対して2、3製品を製造、販売する企業である。 担当した時点ではWebサイトは10ページ前後、更新も半年に一度あるかどうかといったサイトであった。 しかし、企業としては売上を向上させ、マーケットに対する認知度も向上させていきたいという話から、戦略的なWebコンサルティングを請け負うこととなった。戦略的なWebサイトを考えるためのカギ
当時該当企業のマーケットは非常に狭いものであったが、今後拡大が期待されるマーケットであることは、事前の市場調査によって見えてきた。 そもそも10名弱の企業でマーケットの流れに依存したビジネスの進め方では、まだまだ掘り起こせていないマーケットを見つけ出すことも困難である。Web戦略を練る際に、対象企業がどのようにマーケットとコミュニケーションを取ってきたのか、製品のターゲットとなるマーケットを様々な情報から探り、その上でCI(Corporate Identity)と照らし合わせることに時間を惜しまないことが重要だと筆者は考える。
ある意味これがWeb戦略成功のカギを握っていると言っても過言では無いと言える。
CI(Corporate Identity)コーポレートアイデンティティを見直す
Web戦略において、CIを見直してみましょうという話をすると、大概統一的なシンボルマークや、コーポレートカラー、ビジュアルデザインなどといった見た目的なコーポレートルックに偏ってしまう。 しかし、Web戦略の足場を固める時点では、そういったVI(Visual Identity)ではなく、企業としてどのようにマーケットに個性・独自性を伝えたいのか、どのような企業行動によってマーケットに認識されたいのか、といったことを改めて見直すことが重要である。Webはワールドワイドに公開される企業の顔となる。
Webはマーケットを選ぶことは困難ではあるが、選択されるマーケットの広がりは一営業以上の力を持つ。
マーケットは企業が行う諸活動・表現に接触することで何らかの知覚を持ち、その積み重ねが個々人の脳裏に一定の印象(コーポレート・イメージ)を作る。
TV、新聞・雑誌、交通広告など様々なメディアを活用できる企業であれば、なおさらCIは重要になるが、TV、新聞・雑誌、交通広告は、地域や閲覧者をある程度セグメントすることで、特定のマーケット層を捉える事で、一定の印象をより強く与えることが可能となる。
TV、新聞・雑誌、交通広告などのメディアを活用したことがなく、これらの費用をかけることが困難だからといって、Webに様々な情報を与えてしまうと、Webへの接触の度に企業に対する印象が変わってしまう恐れが多く、コーポレート・イメージは薄くなってしまう。
また、対象とするマーケットに対しての情報が煩雑になることで、せっかくの来訪者を混乱させてしまっては、情報があることが逆に負の印象を与えてしまう可能性が高くなる。
よって、コーポレート・イメージの向上・統一を目的として、企業における表現、行動をWebを含めて統一的に定義することで、非常にスムーズかつ効果的なWeb戦略が立てられるのである。
次回は、対象企業において、CIと照らし合わせどのようにWeb戦略を立案したかをお話ししようと思う。
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