不況だからこそモバイルを活用すべき3つの理由
筆者も掲載いただいたことがある、月間「アイ・エム・プレス」の最新号、2009.5 Vol.156、「特集:感動DMをつくろう!」のcommentatoer's EYEに、(株)ディーツーコミュニケーションズの代表取締役社長 兼 CEO兼CCOの藤田明久氏による、「不況だからこそモバイルを活用すべき3つの理由」という記事が掲載されていたので紹介。月間「アイ・エム・プレス」は、以前にも紹介したが、基本的にCRMやDMといった電話や紙をはじめリアル向けの現場に特化したマーケティング記事が多く、筆者のWebに偏り気味なマーケティングノウハウを賄うのに非常に助かっている媒体である。
そのため、Webマーケティングのための解析手法や、モバイルマーケティングなどの記事は少ないのだが、掲載される記事はリアルとの接点という最重要ポイントを押さえた記事となっているため、結構奥深く、目の付けどころが面白いのが特徴である。
【関連】
㈱アイ・エム・プレス
モバイル広告市場が成長し続ける3つの理由
インターネット機能付き携帯電話(モバイル)の広告市場は、2008年1~12月で913億円となった((株)電通「日本の広告費」)。前年比47%と増と、あらゆる媒体の中で最も成長しており、この勢いがしばらく続きそうだ。と藤田氏は言う。
その理由として、下記のように、企業のマーケティングコミュニケーションにおけるモバイルの3つのフェイズが、大きな価値を発揮するとして挙げている。
- 販売促進
- 告知・広告
- 情報拡散
である。
記事では、これら3つのフェイズにおけるキーポイントを、実際のキャンペーン施策と、対象となる利用者の携帯環境を、利用シチュエーションと機能の側面から説明し、さらに、クライアント側として、その中でどのようなデータを活用し、どのような価値向上施策の可能性があるのかについて、わかりやすく語られている。
モバイル自体が単体で行うキャンペーンの価値よりも、マスメディアやOOHメディア(屋外広告)はもちろん、折込チラシやDMとの住み分け、連動についても事例を交えて触れられている。
企業は、マーケティングコミュニケーションの立案において、テレビCMの「絵コンテ」から着想を始めるという従来のパターンを見直し、21世紀の生活者行動パターンに合わせて、発送や実施の順番を大胆に変えるべきだろう。
と結んでいる。
実際にモバイルマーケティングを行い、分析を行っていると、21世紀の生活者行動パターンを実感することが多々ある。
まぁ筆者自身が、大学時代はリアルの消費者行動分析、2000年頃からPCのWebマーケティングをメインに行ってきているため、
モバイルにおける行動パターンが、あまりにも今まで見てきたものとスピード感をはじめ、異なる点が多く、過去のノウハウや筆者の周囲に、類似性の比較対象が無さ過ぎるため、新たな分類をして逃げているだけなのだが。。。
感動DMをつくろう!
D2Cの藤田氏の記事の他にも、長引く不況の中、多くの企業が経費の見直しに取り組んでいることに触れ、eDMに対して1通当たりのコストが高い紙DMの高い価値を、受け取った人の感動をどう誘うか、中長期的な絆を育む紙DMの極意について、「感動DMをつくろう!」という特集記事を組んでいる。内容としては、イオンフォレスト社、ディー・エイチ・エル・ジャパン社、とみたメロンハウス社、ルノール(菓子工房フラノデリス)社の事例や、価値の高い紙DMに関わった、ドルチェ・マーケティングの佐藤靖子氏、トッパン・フォームズの巣山幸一氏、日本ダイレクトマーケティング学会理事で、パーソナル・コミュニケーション・クリエイターズのチェアマンである藤田浩二氏を交えた座談会形式で、DMとの過去と現在のかかわりから、市場が求める紙DMの役割、紙DMの特徴と有効活用法を伝え、紙DMが生き残る道として締めくくっている。
他にも、
DellらしくないDellの新たな試み
として、ダイレクトマーケティングの専門広告代理店「ラップ・コリンズ」の共同創始者かつ初代クリエイティブ・ディレクターであり、「マキシマーケティング」他4冊の共著書を執筆、現在もダイレクトマーケティングのコンサルタント、および広告制作者として活躍するトーマス・コリンズ氏の記事や、
アメリカでのCRM成功事例をベースに日本初のサービスを加えて顧客満足度を向上
として、ハーレーダビッドソン ジャパンの代表取締役社長の福森豊樹氏の記事、
Wired NEWS捏造記事騒動から考える「評判のコントロール」
として、カレン 次世代ビジネスリサーチ室長の四家正紀氏の記事、
次世代コンタクトセンターへの進化のカギは?
として、Y'sラーニングの代表取締役、浮島由美子氏の記事、
情報発信基地として、ご指摘対応の「30分ルール」の遵守やお客様の声活用を推進
として、キリンビバレッジのインタビューなど、
盛り沢山である。
個人的には、連載32回を迎える"おじゃら りか"氏の「裸足のコンシューマー」
電車内メークギャルの変身度の巻
の最後に書かれた、
美意識というのは、時代とともに変化するものだが、
美しくなりたいという女性の気持ちと努力は、
未来永劫変わるまい。
という締めに、21世紀の生活者行動パターンがちょっとシンクロした。
【出典・引用】
月刊「アイ・エム・プレス」2009年4月25日発行号
発行:㈱アイ・エム・プレス
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