observation.jpの自然検索ワード流入と、サイト内検索ワードを分析してみた
2009年も1/3が過ぎたところで、SEO/SEMの効果が気になったことを分析してみた。
通常はB to B向けの企業サイトから、プロモーション、キャンペーンサイトをはじめ、Eコマース専門のサイトや、リアル店舗を持った企業のサイト分析も行っているが、
ブログサイトにおける分析は、分析から仮説、実行、さらに効果検証を回すことで、企業サイトには見られない新たな発見がある。
今年1月に改めてSEO/SEM対策をしてみたので、その後の動きを分析してみた。
サイト内検索キーワードと自然検索キーワード
無料アクセス解析サービスのPC版myRTを使っているが、こちらのデータから集計したもので分析を行っている。図1は1月から4月までのサイト内検索ボックスを利用した数と、自然検索キーワードでの流入数を比較した分析データとなる。
[図1]
無料版のmyRTでは、特定のアクセスに制限をかけることができないため、サイト内の改修作業のためのアクセスもカウントされてしまうため、改修を行った1月のレポートが大きく飛び出てしまっている。
よって、改修後の2月分からに絞ったものが、下の図2になる。
[図2]
改修後には自然検索キーワードの利用が、自然検索キーワードと共に順調に伸びていることがわかる。
そもそもの改修の目的
ただのブログサイトなので、売上向上だとか、コンバージョン率向上だとかいう目的も無い。よって、そもそもウェブKPIなんていうことも考えようがないのだが、 サイトに何らかのきっかけで来訪した人に対して、滞在のきっかけをどのように持たせることができるか ということが、企業サイト、コマースサイトにおいても一つのテーマであることから、ブログサイトでも実験をしてみたくなったことにある。いわゆるSEO/SEMといった、GoogleやYahoo!、MSNなどなどの検索エンジンを惹きこみ、検索サイトの結果の上位にランクさせることは、流入のきっかけを増やすには重要だ。
しかし、そこで流入した後、検索キーワードの本来の目的である、知りたかった内容自体が掲載されていなければ、基本的に来訪者は離脱してしまう。
そこで、LPO(ランディングページオプティマイゼーション)という、流入したページで、検索ワードに該当した内容をしっかり伝えるということが重要となるわけだが、実践してみると、思ったよりこれは難しい。
検索ワードに該当するページを1つに絞ることは比較的容易ではあるが、一番難しいのは、その内容だ。
来訪者の流出を食い止めるために、流入ページに該当する項目を掲載しすぎると、デザイン上ゴミゴミした感じになってしまう。
また、キーワードを散りばめても同様だ。
そこで、解決策の1つとして、サイト内検索ボックスを利用してもらう方法が出てくる。
流入し、ページを閲覧してみたが、自分が求める情報が掲載されていなかった。
もしくは、求める情報はある程度掲載されていたが、より詳しく知りたい。
と思った時、サイト内検索ボックスは非常に有効な手段となる。
既に来訪のきっかけとして検索サイトを利用している以上、来訪者は検索ボックスの使い方にはなれている。
そんな来訪者にサイト内検索ボックスが見当たらなかった場合、多くは検索サイトに戻る(流出)してしまうだろう。
逆にサイト内検索ボックスがあれば、即座に利用してくれると考えられる。
この事から、サイト内検索ボックスに入力された文字列を分析することは、そのサイトにさらにどのような情報を求めている来訪者が多いのかを知るきっかけとなり、
自身のサイトにおいて、より拡充すべきコンテンツを見出すきっかけとなる。
但し、通常はこの分析はできる限り短いスパンで行わないと、離脱要因となり再来訪させるのが困難となることに注意が必要だ。
今話題となっている内容を検索サイトで検索し、流入させることに成功した上で、サイト内検索によって、より気になった内容を自分のサイトから探してくれる優良顧客も、
サイト内により詳しい情報が無ければ離脱してしまう。
検索ワードはその時気になった内容であることから、数ヵ月後にそのキーワードに気づき、該当キーワードのコンテンツを拡充したとしても、その時には既に話題性が無くなっている可能性があるからだ。
実際ビジネスとして行う際には、このことを念頭に置き、一時性のブームによるキーワードなのか、それともずっと検索される可能性のあるキーワードなのか、季節性に基づくキーワードなのかなども考慮して分析する必要がある。
今更だが結構ためになる結果となった
自然検索ワードからの流入に比べて、サイト内検索ワードの利用は1割にも満たない物の、利用者は増加している事から、 サイト内検索の結果についても施策を行っていくことの重要性を感じた。以下は、改めて月毎にサイト内検索キーワードの入力ワード比率と、自然検索キーワードのワード比率をまとめたものになる。
[図3]2月のサイト内検索キーワード比率
サイト内検索キーワード | 比率 |
---|---|
Googleの検索ランキングから見たゲーム機の人気推移 | 22.22% |
SS1610 | 11.11% |
ss1610 | 11.11% |
You Tube(タグ検索) | 11.11% |
換装(タグ検索) | 11.11% |
SS 1610 | 11.11% |
1610 | 11.11% |
SAVIGNAC(タグ検索) | 11.11% |
[図4]2月の自然検索キーワードでの流入数比率
自然検索キーワード | 比率 |
---|---|
dynabook ss 1610 | 6.00% |
ss1610 | 2.57% |
ss1610 分解 | 2.33% |
dynabook ss 1610 分解 | 2.08% |
米谷志保 | 1.71% |
astralmess | 1.41% |
ss 1610 分解 | 1.35% |
ss 1610 | 1.22% |
アストラルメス | 1.16% |
astralmess | 1.16% |
lasonic ipod boombox | 0.98% |
その他 | 79.2% |
2月分だけでもDynabook SS1610に関連した自然検索ワードが多くを占めており、そのことに連動するように、サイト内検索ワードでも、Dynabook SS1610に連動したキーワードが多く検索されていることがわかる。
今回の分析で見つけたことは、4月分までの解析まで掲載した後記述したいと思う。
[図5]3月のサイト内検索キーワード比率
サイト内検索キーワード | 比率 |
---|---|
1610(タグ検索) | 33.33% |
駒場野公園(タグ検索) | 16.67% |
散歩(タグ検索) | 16.67% |
myRT(タグ検索) | 16.67% |
Dynabook(タグ検索) | 16.67% |
[図6]3月の自然検索キーワードでの流入数比率
自然検索キーワード | 比率 |
---|---|
dynabook ss 1610 | 3.91% |
ss1610 分解 | 3.05% |
ss1610 | 1.90% |
dynabook ss 1610 分解 | 1.61% |
dynabook 分解 | 1.38% |
駒場野公園 バーベキュー | 1.32% |
dynabook 1610 | 1.09% |
ss 1610 | 0.92% |
アストラルメス | 0.86% |
myrtモバイル | 0.75% |
その他 | 83.2% |
[図7]4月のサイト内検索キーワード比率
サイト内検索キーワード | 比率 |
---|---|
駒場野公園(タグ検索) | 18.18% |
MOBYLOG | 9.09% |
1610(タグ検索) | 9.09% |
トクホ緑茶(タグ検索) | 9.09% |
BBQ(タグ検索) | 9.09% |
アストラルメス(タグ検索) | 9.09% |
健康茶 | 9.09% |
Mobile Business(タグ検索) | 9.09% |
[図8]4月の自然検索キーワードでの流入数比率
自然検索キーワード | 比率 |
---|---|
駒場野公園 バーベキュー | 2.78% |
dynabook ss 1610 | 2.78% |
ss1610 分解 | 1.78% |
ss1610 | 1.10% |
astralmess | 1.05% |
comfy analytics | 1.00% |
dynabook ss 1610 分解 | 1.00% |
八ヶ岳牧場 まきば公園 | 0.94% |
myrtモバイル | 0.79% |
コンフォートマーケティング | 0.79% |
その他 | 86.6% |
以上が各月の詳細になるが、
サイト内自然検索キーワードよりも、タグ検索の利用者が多いことが一番の気付きとなった。
サイト内検索キーワードだと、内容に関わらずキーワード一致でページが出てきてしまうので、タグで分類された内容から検索をした方が見つけやすいのは確かだ。
しかしながら、これはタグクラウドなどの機能を配したサイトに慣れている来訪者の行動傾向とも言える。
今でもメニューバナーや、パン屑ナビを推奨する制作会社は多く、それはそれで古いだとか、流行りでは無いとかそういった話にはならないが、
メニューやパン屑ナビから探している内容を見つけ出すのは結構大変だ。
特にページ数が多かったり、デザイン重視で1ページあたりの情報量がうまくまとまっていないサイトなどでは、離脱要因となる。
そこで、サイト内検索ボックスが設けられるわけだが、こちらもサイト内の該当キーワード全てを拾ってきてしまうので、上記同様ページ数が多かったり、ページあたりの情報量がまとまっていないと、結局来訪者に与える心理はあまり変わらない。
そこで、さらに絞り込み検索をさせるといった事が考えられるが、個人的にこれはユーザ負担を大きくしているため、よほどそのサイトで探したいという欲求が強くなければ、離脱要因となることに変わりはないと感じていた。
タグクラウドって使い方次第でかなり有効なサイト価値向上手段だと思う
今回の分析から、ブログサイトで良く見かけていたタグクラウドの新たな可能性を見つけた気がした。 今更かよって声も聞こえてきそうだが・・・ 単純に、検索キーワードよりも、該当コンテンツにわかりやすいタグを貼り付けておく方が、サイト価値の向上に繋がるのではないかということだ。まだ憶測の範囲を超えられないので、
まずはタグのルール化と整理を行ったうえで、
myRTのユーザ行動解析機能を利用して、キーワードによるサイト内検索後の行動傾向と、タグによるサイト内検索後の行動傾向を比較してみたいと思っている。
B to Bサイトを始め、コマースサイト、リアル店舗をもっているサイトなどにおいても、タグ検索機能は今後サイト価値向上に役立つと改めて実感した。
自然検索ワードの推移を時系列分析してみた
指定した検索キーワードにおける流入推移を時系列で追ってみた。
(本来は、全キーワードをこのような時系列分析を行うと、突然人気が上がったキーワードなど、より戦略的なキーワード分析ができるが、ここでは割愛させていただく)
myRTは、Version 2.0になってから、RTmetrics SaaS Edition(現Confy Analytics)のUIを継承しているため、こういった時系列分析が非常にし辛い。
筆者は製品版となるRTmetrics License Editionを継承しているVersion 1.0において、虫眼鏡アイコンによりデータベースから期間指定及びフィルタを行った上で抽出したCSVファイルを元に、エクセル上で簡単な分析用マクロを組んで集計している。
サイト内検索ワードの分析についても同様に行った。
自然検索ワードからの流入推移と、利用キーワードの推移と共に、参照元として、ニュースサイトからの流入や、個人or法人ドメインからの流入、mixiやameblo、hatenaなどのドメインからの流入に分けて、時系列分析することで、
期間を通じて流入のきっかけとなっているキーワードや、季節など時節に影響するキーワード、その時の一時的なブームによるキーワードなどの差異が見えてくる。
流入のきっかけ、タイミングが時系列分析可能となることは、実戦的かつ費用対効果の高い戦略を取ることが可能となるため、非常に重要な分析手法であるため、参考までに追記した。
まずは、タグクラウドの利用価値と、コンセプトをまとめ、サイトに施策を行った上で、改めて効果測定を行ってみたいと思う。
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