「モバイル マーケティング ソリューション ガイドライン」が語る「次期モバイルサービスの展望と可能性」
モバイル マーケティング ソリューション協議会(以下:MMSA)が先日公開した、
「モバイル マーケティング ソリューション ガイドライン」(以下:MMSG)の、第1章 オンアクセス編に、
次期モバイルサービスの展望と可能性
として、執筆されている内容が興味深かったので、紹介したいと思う。
なお、MMSGの最新版となるVer. 2.2は、2009/7/9時点で、MMSAのサイトからPDFダウンロードができない状況だが、問い合わせから配送をお願いすることができるとのことだ。
【出典・引用・関連】
モバイルマーケティングソリューション協議会(http://www.mmsa.jp/)
次期モバイルサービスの展望と可能性
モバイル端末は、インターネットへ接続する際の主要なデバイスとして、今後も継続的に重要な位置づけとなり続けると考えられます。
すでにクラウド化されたインターネットサービス基盤がPCユーザを始め、iPhoneユーザ等のモバイル端末ユーザに対して、良質かつ多種多様なサービス(GoogleMaps、Amazon S3等)を提供し続けています。
ユーザがどこにいても均一のサービスを、拡張性を担保した形で享受することのできるこのクラウドコンピューティングの仕組みと、常にネットワークに接続されている携帯端末との親和性や、モバイル端末に搭載されるOSのオープン化、端末の通信速度の飛躍的な向上が、今後のモバイルサービス発展と変化の主要なカギとなってくると考えられます。
iPhone
キーパッドを廃したマルチタッチ方式のユーザインターフェースを持つモバイル端末で、オペレーティングンシステム(OS)には「OS X iPhone」を使用しています。
CocoaやCore Animationといったアプリケーションフレームワークを含み、開発環境は無償で入手が可能なiPhone SDKが利用可能で、CocoaフレームワークとObjective-C言語によって、iPhone用のアプリケーションの開発が可能となっています。また、作成したアプリケーションは、App Store経由での配布および販売(課金)が可能です。
iPhoneアプリ開発者によって作成されたアプリケーションは、AppStore経由で世界中のiPhoneユーザに対して配布がされ、すでに確立された配布・課金システム(2008年秋にはAppleIDのアカウント数が6500万を超えるなど、巨大な課金システムのバックボーンを保有)により、比較的容易に、iPhoneユーザはアプリケーションをiTunes上またはiPhone上で購入することが可能です。 また、iPhoneのUIは直観的な操作が主な特徴で、Pinch(つまむ:2本の指で画面をつまみ、地図やWebページの拡大、縮小などを実現する)、Tapp(叩く:指先で軽く画面を叩くことにより、メニューやWebリンクの選択、画面の一部拡大表示などを実現する)、flick(弾く:画面を上下左右方向に指先で弾くことにより、画面のスクロール等を実現する)などの、シンプルだが非常に直観的な、ドキュメントビューアやゲーム等への適用範囲の広い基本操作を実現しています。
この直観的かつシンプルな基本操作の実現によって、これまでのキーパッド等のUIでは実現が難しかった、アイディアに富む多くのアプリケーションが世界中で作り続けられています。
2009年5月現在では、iPhone単体でのワンセグ機能、おサイフケータイ機能、その他、メールやドキュメント中の文字列のコピーアンドペーストが実現されていないなど、現行の他のモバイル端末と比較しても、日本国内でのマーケットニーズをすべての機能が十分に満たしていない部分はいくつか見受けられます。
しかし、今夏以降には、iPhone3.0へバージョンアップが計画されており、コピーアンドペースト機能の追加や、その他機能の充実を図ろうとする試みが計画されており、マーケットニーズを満たそうという積極的な戦略を展開しようとしている模様です。
また、最近ではiPhoneアプリの総ダウンロード数が全世界で10億ダウンロードを突破するなど、世界中のマーケットに拡大する勢いは衰えるところを見せません。Android
Androidは「Open Handset Alliance(OHA)」により開発されており、これまでは制約条件の多かった携帯電話用アプリケーションの開発から脱却し、個人や他事業体が自由に行うことを実現するためのプラットフォームを提供しています。 このAndroidプラットフォームにより、すでにGoogle等が展開をしているクラウドサービスとの親和性の担保と拡張性を実現し、オープンなモバイルサービスを拡大しようという考えの元に、新たな試みがなされようとしています。
また、バーチャルマシン(VM:Dalvik)の利用により、各端末のハードウェア的な仕様の違いを吸収し、多くの端末で動作するアプリケーションの開発を可能とします(2008年10月にオープンされたサイト「Android Market」にてAndroidアプリケーションが公開され、ダウンロード販売されたアプリケーションの売り上げの70%を開発者に還元するなどの試みがすでに開始されている)。更には、GoogleMaps等のクラウドサービスを快適に利用(JavaScript処理能力向上化等)できるように用意されたHTMLレンダリングエンジン群(WebKit)で作成されたブラウザ等(GoogleChrome,Safari等)のアプリケーションを携帯端末に載せることにより、各クラウドサービスとの親和性を担保しようとしています。
また、SDKやその他のAndroidに係る技術情報をオープンにする姿勢から、アプリケーション開発者がいかに自由にアプリケーションを開発することができるか、それをいかに広範囲にサービスとして自由に展開することができるのかがハードウェアやクラウドの進歩と同等以上に重要な要素であるとGoogleやその他事業者(docomo,au等の各キャリア含め)は先んじて認識しているという状況にあると考えられます。
現在、docomoとauは2009年度中にAndroid搭載端末を市場にリリースすることを明らかにしており、これまでさまざまな技術的な「シード」により携帯電話の独自の進歩を続けてきたキャリアが、オープンな世界へサービスを展開し始めるという、将来のモバイルサービスの可能性を象徴する、大きな変革点となると考えられます。
測定におけるポイント
iPhoneやAndroidを始め、スマートフォンなどのフルブラウザ端末からのアクセスは、携帯ブラウザからのアクセスとは異なるキャリアのゲートウェイを経由して来訪します。 アクセスを携帯電話からのみに制限するために、各キャリアが公開しているゲートウェイのIPアドレスからのみ許可をしている際は注意が必要です。
【出典・引用】
モバイル マーケティング ソリューションガイドライン Ver.2.2|モバイル マーケティング ソリューション協議会 発行
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