CRM(Customer Relationship Management)という企業が顧客との長期的な関係を作るために管理を行う形からCGM(Consumer Generated Media)というユーザが内容を形成していくコミュニケーションの形への変化において、「価格コム」「@コスメ」などのクチコミサイトや、「はてな」「OKweb」「教えて!goo」などのQ&Aコミュニティ、「mixi」「gree」といったSNS、「ココログ」「ライブドアブログ」などのブログサービス、「関心空間」「ベネッセウィメンズパーク」「みんなの就職活動日記」ちった共通の趣味、関心についてまとめられたCOIサイトといった、ユーザが個々の好みのガジェットを捉えるといったプル型の行動パターンに対応するサイトが増え、利用者も増えている。
このユーザの変化と環境の変化により、ユーザのコンバージョンパターンに変化が出てきています。
標準的なコンバージョンプロセスのモデルとされてきたAIDMA(アイドマ)からAISAS(アイサス)という進化したモデルがキーワードとして流布し始めています。
AIDMAからAISASへ
従来のAIDMAのモデルは
Attention(注意)--------------------------------認知フェーズ >Interest(興味・関心)>Desire(欲求)>Memory(記憶)-感情フェーズ >Action(行動)---------------------------------行動フェーズ でしたが、AISASモデルは
Attention(認知)--------------------------------認知フェーズ >Interest(興味・関心)>Search(調査)---------------感情フェーズ >Action(行動)>Share(共有)----------------------行動フェーズ というように、Desire(欲求)とMemory(記憶)という自分の欲求を満たす内容を記憶し、自分だけの情報として行動を起こすという亜細亜特有の行動パターンから、Desire(欲求)とMemory(記憶)が無くなり、代わりにSearch(調査)という行動に大きく変わっています。 これはクロスメディアとして様々な形で流れる情報を、より身近になったPC、モバイルのサーチエンジンを利用して情報を得るスピードが上がったため、情報自体の共有による自身の情報網の増加が情報取得に大きく影響が出ることを無意識のうちにユーザが形成していった結果だと思います。 これにより、Action(行動)を起こした後に、Share(共有)という項目が加わることになります。AISCEASというパターン
場合によって、Search(調査)とAction(行動)の間にComparison(比較)とExamination(調査)が加わったAISCEAS(アイシーズ)といった下のようなパターンの変化もあります。 Attention(認知)>Interst(関心)--------------------認知フェーズ >Search(検索)>Comparison(比較)-----------------感情フェーズ >Examination(調査)>Action(行動)>Share(共有)------行動フェーズユーザ行動プロセスの変化のポイント
いずれにしても特徴的な点は、興味のあるものを認知した後に、詳細情報を調査し検討する動きが挟まったこと、情報の正確性や別の視点からの情報は無いかといった行動フェーズと、コンバージョン後にユーザが感想や評価を共有し、新しい情報の需要に繋げるユーザ側での情報サイクルという、ブログ、SNS、COIサイトやRSSといった新しいフェーズが生まれている点です。マスマーケティング効果は低下しているのか
マスマーケティングの手法が多種多様になったことと、ユーザ行動パターンにShare(共有)で生み出された情報がSearch(検索)で得ることができることにより、ユーザ自身が企業や広告媒体のプッシュ型マーケティングを頼らずとも様々な側面から情報流通させることが可能であり、また情報を得ることが可能になった事は、企業のプッシュ型マスマーケティング効果が下がっている理由の1つであると思います。ユーザ行動変化を捉え、企業ブランドを高める
ユーザはExamination(調査)に対して重きを置いている傾向があります。確実な情報、情報の正確性、自分の判断において方向付けることができる情報を得るために行動をしています。 よって企業側は、如何に信頼性の高い情報を豊富に提示することができるかが、上記の行動プロセスにたいして好循環を与えることになり、ユーザから好意的な評価を受けることができるといった結果につながります。 Web 2.0という言葉やブームに流されて、外部のサービスに依存したり、流行のサービスを取り入れるだけではなく、企業に対してユーザはどのようにコミュニケーションを取りたがっているのかを真正面から向き合うことが再評価に結び付きます。 概して企業サイトはおまけ的な扱いや、情報を出さなくても良いだろう、出したくない情報は掲載しない、といった傾向が見受けられますが、ユーザのコミュニケーション手段は確実に増えており、ユーザは欲しい情報を得る手段を幾らでも持っており、意図しない場所から意図しない形で情報が出回ってしまうということも多々あります。ユーザとのコミュニケーションを正面から受け止めるといった事ができ、サイトの設計のあるべき形を見出し、施策を行いコミュニケーションが取れているサイトは、企業も同様の顔を持っていると言えるのではないでしょうか。
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