Webアクセス解析にて、参照元(Referrer)と言うと大概"検索エンジン ""バナー広告元"などのインターネット媒体からの来訪の比率、傾向分析と思われているようです。
昨今は"QRコード"が一般的になったおかげで、QRコードのアクセス解析も増えてきてはいますが、コンバージョンに対してクロスメディアの分析を行うことが重要なポイントであり、行うことが可能であることはあまり認知されていないようです。
実際に、ユーザはクロスメディアでどのような媒体をきっかけとしてサイトに来訪しているのかをレポートしてみたいと思います。
クロスメディアで捉える参照元
クロスメディアで捉える必要があるといっても、具体的にユーザはどのような媒体が来訪のきっかけになっていて、どこまでクロスメディアの分析の必要があるのか。
日経リサーチの下図を元に検証してみたいと思います。
【データ出所】日経リサーチ「インターネットへの誘導チャネルの性別・世代別傾向」2007年1月31日
各項目ごとのポイント
・サイト訪問のきっかけ最多 = PCポータル・検索サイト(43.6%)
Yahoo!などのポータルサイトやGoogleといった検索サイトが来訪のきっかけになるのは、予測通り4割を超えています。
・新聞、TV媒体 = 新聞記事(31.3%) テレビ番組(25.3%)
新聞記事やテレビ番組といった、直接インターネットに紐付かない媒体でも、ユーザはイメージを与えられた後、インターネットにて調査を行う傾向があることがわかります。
・掲示板・ブログ・SNS(20.3%)
コンテンツ環境のCGMへの変化が影響しているのか、CGMの特徴を持つコンテンツが来訪の結果になる事も2割を超えています。
これは、新聞記事やテレビ番組をきっかけとする割合よりは少ないものの、雑誌媒体とほぼ同じという結果になっています。
新聞やテレビ番組は、特にユーザ層を特定しない不特定多数へのプッシュ型であり、ユーザ同士の情報の共有意識が高いという媒体特性をもっており、
雑誌は専門性の高い情報を共通意識をもつ特定少数ユーザにプッシュ型で与えており、趣味や好みといった範囲の絞られた中での情報の共有意識を高める媒体特性があります。
Web 2.0時代のマーケティング手法の基本的な変化でもレポートしたように、CGMコンテンツへの市場のニーズの変化に伴い、Comparison(比較)>Examination(調査)>Action(行動)>Shar(共有)という行動傾向のポイントにて、雑誌と掲示板・ブログ・SNSが同等の結果になっているといえると思います。
・知人・友人(15.6%)
自分で探した情報や、マス媒体で得た情報、友人が得た情報がきっかけになるといった行動傾向についても上記同様に、CGMコンテンツへの市場のニーズ変化と同様の傾向の結果だと思います。
サイト訪問の結果とコンバージョンアップの関係性
サイトへの訪問のきっかけから、広告出稿媒体はやはりPCポータル・検索サイトへのPPC・バナーなどの純広告が一番効果的であり、ニュースサイトやメルマガ、CGMサイトなどのWeb媒体に出稿すれば、かなりの効果を得られるということが読み取れます。
不特定多数へのブランディング効果、メジャー化を狙うのであれば、新聞記事やテレビCMが大きな効果を出すであろう事もわかります。
もちろん出稿するタイミングなどの問題は孕んでいますが、
・キャンペーンなどマスに向けたインパクトで集客のきっかけとするのであれば、ネット媒体を中心で出稿。
・ブランディング化、メジャー化にて広く認知度を高めるのであれば、PCポータル・検索サイトと新聞、雑誌記事を中心で出稿。
が効果的であると言えます。
訪問のきっかけと出稿の関係性での注意点
あくまでもユーザがサイトを来訪するきっかけとなる媒体の調査であり、購買や情報収集などのユーザの目的、コンバージョンを満たすことができたきっかけにはなっていない点を注意する必要があります。
サイトへの訪問のきっかけになったとしても、ユーザはきっかけとなった媒体で得た情報以上の目的を求めて来訪していることを忘れてはいけません。
来訪したユーザに対して、個々のサイトの目的、コンバージョンに対してユーザが満足しているのか、求められている情報が何か、求められている情報を的確に与えることができているのかをしっかりと把握し、不足点があれば即座に改修を行う事が重要なポイントになります。
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